戸籍謄本の筆頭者が10秒で分かる!超カンタンな調べ方を説明します!
こんにちは。元市民課職員のアキラです。
戸籍(謄本・抄本)を確認するときや、婚姻届を提出する際に必要となる「筆頭者」。
ですが、普段気にしたことがない方がほとんどなので、
- 筆頭者が誰なのかわからない!
- 離婚した場合どうなるの?
- 親が再婚した場合は誰が筆頭者なの?
などなど、分からない点が多いと思います。
そこでこのページでは、
元市民課職員の筆者が筆頭者が何なのか?誰が筆頭者なのか?がパッと分かる方法をお伝えしていきます。
そもそも筆頭者ってなに?
筆頭者とは、
戸籍のもっとも最初に書かれている人物
のことを言います。
言うならば、「戸籍の持ち主」と言えます。
具体的には、
戸籍謄本(抄本)において、下の「緑枠」の部分に書かれた人が筆頭者です。
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筆頭者はいつ決まるのか?
戸籍は「2人が婚姻届を提出したとき」に新しく作られます。
それまでは、それぞれが「両親の戸籍」に在籍していたわけですが、結婚のタイミングで両親の戸籍から抜け出し、2人で新しい戸籍を作ります。
そしてこの「婚姻届を出すとき」に筆頭者を決めます。
筆頭者は親から氏を引き継いだ方
筆頭者は親から氏を引き継いだ方です。
婚姻届に「本籍と、今後どちらの氏を使っていくのか?」を決める欄があり、ここで選んだ方が「筆頭者」となります。
そして、もう一方は「配偶者」となります。
ただ例外もあり、
- 過去に「分籍」して自分自身が筆頭者となっている
- 過去に「離婚」しており、すでに「自分が筆頭者である戸籍」がある
という場合もあります。この辺は後ほど説明します。
5秒でパパッと把握する方法!
さて、「筆頭者が何なのか?どのタイミングで決まっているのか?」を説明しました。
ここまでの説明から、「筆頭者がわからない!」という時は、以下のとおりに簡単に判断出来ます!
もしあなた自身が結婚しているのであれば、親の姓を引き継いでいる方が筆頭者です。
一般的には夫が筆頭者だと思いますが、中には奥さんが筆頭者となっている家庭もあります。
夫が筆頭者であれば、妻は配偶者。妻が筆頭者であれば、夫が配偶者です。
もしあなた自身が独身であれば、両親のどちらかが筆頭者です。
どちらか?というのはポイント@にある通り、さらに上の代(祖父母)から姓を引き継いでいる方です。
あなたが結婚していなのであれば、一般的に筆頭者はあなたの父親です。
そして母親が「配偶者」、あなたや兄弟は「長男・二男・長女・二女など」にあたります。
ただし、あなたが過去に「分籍」して親の戸籍から抜け出している場合は、あなたが筆頭者です。
では、もしも
- あなた自身が過去に離婚している場合は?
- 親が離婚したり、再婚している場合は?
- 筆頭者であろう親が亡くなっている場合は?
このあたりについても引き続き説明していきます。
あなたが離婚した身の場合、筆頭者は誰なのか?
もしあなたが離婚している場合について、筆頭者が誰なのか?説明しましょう。
まず、あなたは離婚前の戸籍において
筆頭者でしたか?
それとも筆頭者の妻(もしくは旦那)でしたか?
上で説明のとおり、一般的には男性側が「筆頭者」となり、女性側が「配偶者」となっているでしょう。
「結婚時、筆頭者がどちらだったのか?」によって、現在想定される筆頭者も変わりますので、それぞれ説明します。
あなたが筆頭者だった場合
多くの場合、元夫側の話になると思います。
もしあなたが離婚前に筆頭者だった場合、今も変わらずあなたが筆頭者になっています。
あなたの戸籍には、以前の配偶者の情報が残っています(いつあなたと離婚して、どこの戸籍に移ったのか?)が、筆頭者のあなた自身に動きはありません。
元妻との間に子どもがおり、その子どもを「元妻の戸籍」へ移していないのであれば、子どもにとっての筆頭者もあなたです。
あなたが配偶者だった場合
多くの場合、元妻側の話になると思います。
あなたが配偶者側だったのであれば、「離婚後あなたがどのような動きをしたのか?」によって、現在の筆頭者が変わります。
もっとも多いパターンが、両親の戸籍に戻り、両親の姓をもう一度名乗っているケースでしょう。
この場合は、あなたの両親のどちらかが筆頭者になっています。
(両親のうち、祖父母から姓を引き継いでいる方)
両親の戸籍において、「両親の死亡」や「兄弟の結婚」があり、全員が戸籍からいなくなった場合は、その戸籍は「除籍(実質の廃止)」という扱いになります。
この場合、あなたはその戸籍には戻れず、新しい戸籍をあなたが筆頭者となり作ったはずです。
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>>除籍謄本(抄本)とは?3つの取り方と必要なもの!【離婚・死亡時など】
離婚後3ヶ月以内に申請すれば、「離婚前の姓」を名乗り続けることが出来ます。
もちろんあなたの両親とは違う姓なので、新しい戸籍をあなたが筆頭者となり作ったはずです。
ABのように「理由があって新しい戸籍を作った」場合はもちろんのこと、ただ「親の戸籍に戻りたくない」と言う理由から、以前の姓に戻りつつも新しい戸籍を作った場合でも、あなたが筆頭者になっています。
余談ですが、子どもが「離婚前の戸籍(一般的に元夫の戸籍)」に残っているのであれば、子どもにとっての筆頭者はあなたではなく、その戸籍の筆頭者(一般的に元夫)です。
離婚したが、再婚している場合
あなた自身が離婚後に再婚した場合は、以前の結婚時に「筆頭者だった・配偶者だった」に関わらず、「5秒でパパッと把握する方法!」の方法で確認出来ます。
親が離婚している場合、筆頭者は誰なのか?
続いては、両親が離婚した場合の筆頭者について説明します。
※大前提として、あなたが結婚していないことを前提にしています。両親が離婚してるにせよ、あなたが結婚しているのであれば「5秒でパパッと把握する方法!」で確認出来ます。
親が離婚している場合でも、基本的に「あなたが両親のどちらの姓を名乗っているのか?」で分かります。
離婚した場合、配偶者(一般的には妻)は「夫と二人で作った戸籍」から抜けますが、子どもはその戸籍に残り続けます。
離婚時に20歳未満の子どもがいた場合、父か母のどちらかが親権者になっています。
そしてたとえ親権者が母親だったとしても、「戸籍は父親の方に残ったまま」ということはザラにあり、母と子で姓が違う家庭もあるでしょう。
離婚前は「父が筆頭者、母が配偶者だった」という前提のもとお話します。
離婚が多くなってきた今の時代では、普通に見られるケースです。
この場合は、あなたの父親が筆頭者です。
あなたは「父親の戸籍に残っている状態」と言えます。
離婚前は「父が筆頭者、母が配偶者だった」という前提のもとお話します。
上で説明しましたが、離婚後3ヶ月以内に手続きを行えば、母は父の姓を名乗り続けることが出来ます。
すると、あなたは父とも母とも同じ姓です。
しかし「母と同じ姓であり、母と一緒に暮らしている」からと言って、必ずしもあなたが「母の戸籍」に移っているとは限りません。
もしあなたが「父の戸籍」に残ったままであれば、筆頭者は父親です。
あなたが「母の戸籍」に移ったのであれば、筆頭者は母親です。
子どもの戸籍をうつす場合は、「入籍届」を提出し、家庭裁判所からの許可が必要です。
「そのような手続きを両親が過去に行ってくれているのか?」を確認する必要があります。
「母が前夫の姓を名乗ること」と、「子の戸籍を移動させること」は別の話ですので、その点は両親に確認しましょう。
これらはあくまでも離婚前は「父が筆頭者、母が配偶者だった」という前提です。
もともと「父が配偶者・母が筆頭者だった」という家庭では、「あなたの戸籍を移動する手続き」を行っていないのであれば、母親が筆頭者となっています。
親が再婚した場合、筆頭者は誰なのか?
親が再婚している場合に、自分にとっての筆頭者は誰なのか?
※大前提として、あなたが結婚していないことを前提にしています。両親が再婚してるにせよ、あなたが結婚しているのであれば「5秒でパパッと把握する方法!」で確認出来ます。
まず始めに、話を分かりやすくするために例として
- 母親とその息子(息子は離婚後に母親の戸籍に移っている前提)
- 再婚相手の男性
がいるとします。
ここからまずは2パターンに分かれます。
このパターンであれば、もともとその戸籍での筆頭者は母親なので、変わらず母親が筆頭者です。
姓が変わることもありませんし、再婚相手が筆頭者となるということもありません。
ではもし、母親が「相手の男性との新しい戸籍」に移った場合にどうなるのか?と言うと、そのままでは
- 母と再婚相手の戸籍(筆頭者は再婚相手)
- 母親が抜けた息子だけの戸籍(筆頭者は母親)
の2つが存在し、母と息子は異なる姓を名乗ることになります。
もし今この状態が続いている場合は、息子にとっての筆頭者は「母親のまま」です。
※筆頭者の母が抜けても、その戸籍における筆頭者は変わりません
しかし「息子」と「再婚相手の男性」との間で養子縁組(親子関係になる)となった場合は、話が変わります。
養子縁組した場合であれば、養子は「養父の戸籍(すでに母が入っている)」に移ることになります。
すると、養父(再婚相手)が息子にとっての筆頭者になります。
筆頭者が死亡した場合はどうなる?
よくある質問として「筆頭者だったはずの父が亡くなったんですが、今は誰が筆頭者なんでしょうか?」というものがあります。
答えとしては、
「筆頭者」は、たとえその人が亡くなったとしても、変わらず筆頭者のままである
となります。
戸籍には
- 筆頭者欄
- 本人欄
があります。
上の緑枠が「筆頭者欄」ですが、ここは筆頭者が亡くなっても変更がありません。
その下にある各々の「本人欄」においては、死亡した場合は「除籍」という記載と、死亡した日時などが記載されます。
>>戸籍謄本・抄本の記載事項5つを画像つきで分かりやすく解説!
ちなみに、筆頭者が「除籍」となったとしても、戸籍情報を見る場合は「戸籍謄本or抄本」を取ります。
たまに「除籍謄本が必要なの?」と勘違いしている人もいますが、除籍謄本は「戸籍そのものが除籍された場合(全員が抜けて抜け殻状態になった場合)」に、その情報を得る時に取得するものです。
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配偶者が筆頭者になることは出来る?
筆頭者が死亡したのち、配偶者(一般的には妻)は、筆頭者になることが出来ますが、ハードルは高いです。
- 配偶者が、自身を筆頭者として再婚する。(自身の “今の姓” を次の結婚に引き継ぐ)
- 配偶者が、「復氏届」と「分籍届」をあわせて出す。
1つ目に関しては、再婚時に自分自身が「筆頭者」になるというシンプルなものです。
2つ目に関しては、まずは「復氏届」という届け出によって、結婚前の戸籍(両親の戸籍)に戻ります。
ただそれでは両親のどちらかが筆頭者なので、「分籍届」を提出することによって、両親の戸籍から抜け出して「自分自身が筆頭者である新しい戸籍」を作ります。
ただしこれでは姓が変わってしまいますし、子どもは「元の戸籍」にいる状態なので、子どもとの姓が変わってしまいます。
もし子どもを「自分が筆頭者である新しい戸籍」に入れるのであれば、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出し、許可を取る必要があります。
その上で「入籍届」を提出すれば、子どもを「自分が筆頭者である新しい戸籍」に入れることができ、姓も同じものに出来ます。
ということで筆頭者になるためには色々なハードルがあります。
戸籍関係の手続きは、配偶者であっても、両親の子であっても出来ますので、無理に筆頭者になる必要はありません。
さいごに!
「戸籍の筆頭者」はある程度パターン化されているので、上で説明した方法でパパッと分かることがほとんどです。
ただし離婚や再婚などがある場合だけ、話が少し複雑になる場合があるので注意しましょう!
なお「マイナンバーカード」があれば、戸籍謄本や住民票をコンビニで簡単に取得できるようになるため、とても便利ですよ。
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