マイナンバーカードの「電子証明書」を絶対使うべき理由4つとデメリット!
こんにちは。
元市民課職員のアキラです。
マイナンバーカードには「2種類の電子証明書」を搭載することが出来るのですが、必要なのか、不要なのか悩む方も多いでしょう。
結論から述べると、『電子証明書を搭載しなければ、マイナンバーカードを発行する意味がない』と個人的には考えています。
このページでは、
- 電子証明書にはどんな用途があるのか?
- 搭載した場合にどんなメリット・デメリットがあるのか?
という点を、どこよりも分かりやすく解説していきます。
マイナンバーカードの「2つの電子証明書」の役割とは?
マイナンバーカードを作成する際には、
『電子証明書の有無』を選択しなければなりません。
※以下のGの部分で選択する
※大前提として「15歳未満・成年被後見人」には原則発行されません
冒頭でも説明のとおり、個人的には「搭載すべき」だと考えていますが、まずは「電子証明書の役割」を分かりやすく説明します。
電子証明書とは?
電子証明書とは、「公的個人認証サービス」に使われる技術です。
この「公的個人認証サービス」とは、
- インターネットを使ったオンラインでの申請・届出(行政手続き)をする際や、
- インターネットサイトにログインする際に、
他者による「なりすまし・データ改ざん」を防ぐために用いられる本人確認の手段です。
この本人確認の手段として、「電子証明書」が使われます。
電子証明書には2種類ある!
本人確認のために使われる「電子証明書」には、
- 署名用電子証明書
- 利用者証明用電子証明書
という2種類がありますので、それぞれの役割を説明していきます。
署名用電子証明書は、e-tax(※)の確定申告など、文書を伴う電子申請などで利用されます。
「e-taxを通して作成・送信した電子文書が、利用者が作成したものであり、利用者が送信したものであること」を証明することが出来ます。
簡単に言うと、『インターネットを通して公的な手続きを行う際に、本人認証として使うよ』ということです。
利用者証明用電子証明書は、webサイトや、コンビニの端末にログインする際に使います。
たとえば、
- マイナポータル(マイナンバーカードを持っていると使えるサイト)でのログイン
- コンビニでの「証明書の交付申請」時の、端末へのログイン
などに使います。
コンビニの端末と言うのは「マルチコピー機」と呼ばれているもので、普段は普通のコピー機として使われるものです。
▼マルチコピー機
マイナンバーカードに電子証明書を搭載する4つの理由(メリット)
続いては、電子証明書を搭載することによるメリットを4つ説明します。
1.証明書の取得がコンビニで出来る!
「住民票」や「戸籍謄本」などの証明書を、コンビニで取得することが出来ます。
住民票は「最寄の役所」で発行することも出来ますが、戸籍謄本の場合は「本籍の役所」に申請しなければならないため、発行が非常に煩わしいです。
そのため、いざと言う時に簡単に証明書を取得できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
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2.確定申告が簡単になる!
e-taxで確定申告する場合に、電子証明書による本人認証が出来ます。
2019年1月より、マイナンバーカードが無くともe-taxが使えるようになりました。
しかしその場合は、税務署へ行き「開始届出書の提出」と「本人確認」が必要なため、正直かなり面倒。
どうせ税務署まで行くなら、そこで確定申告してしまった方が早いですよね。
そのため、e-taxでの本人認証がオンラインで行えてしまう点も、電子証明書のメリットの一つと言えるでしょう。
3.マイナポータルが使える!
政府が運営する「マイナンバーのポータルサイト」であるマイナポータルを利用すると、
- 行政機関がもっている「自分の情報」を確認できる
- 公金の決算を、クレジットカードなどで行える
- 各自治体における、「子育てサービス」の検索やオンライン申請ができる
などのメリットがあります。
そしてこのマイナポータルを利用する際にも「電子証明書」が必要となります。
4.自治体ポイントを貯めることが出来る!
「自治体のボランティア・健康事業」などに参加すると、自治体ポイントと呼ばれるポイントが貯まります。
このポイントは「地域の美術館・博物館・商店」や「バスなどの公共交通機関」で使えるほか、オンラインショップを通して全国の特産品と交換してもらうことも出来ます。
「自治体ポイント」の使い方は、自治体ポイントナビでご確認下さい。
もし電子証明書をつけないのであれば…
4つのメリットを説明しましたが、そもそも電子証明書を搭載しない場合、そのマイナンバーカードの存在意義は『マイナンバーが分かる身分証明証』でしかありません。
言い換えるならば、『電子証明書を搭載しないのであれば、マイナンバーカードは作らなくても良いのでは』と個人的には考えています。
ちなみにマイナンバーは、各々に配布されている「マイナンバー通知カード」でも分かります。
▼通知カード▼
通知カード以外にも、マイナンバーを把握する方法はあります。
>>マイナンバーがわからない時の5つの調べ方【即日で番号確認する裏技】
そのため、『運転免許証などの“公的な身分証明書”を持っていないから、身分証として欲しい』という方以外は、基本的には電子証明書をつけた方が良いです(付けなければ発行する意味が無いでしょう)。
※今後マイナンバーカードの利用範囲は広がると言われていますが、いずれにしろその時には電子証明書を使うことになるでしょう
電子証明書を搭載することでの4つのデメリット!
続いては、「マイナンバーカードに電子証明書をつける場合のデメリット」を4つ説明します。
1.電子証明書に有効期限がある!
マイナンバーカードには、「カード自体」に有効期限が儲けられているのですが、面倒なことに別途「電子証明書の有効期限」も設けられています。
カード 発行時の年齢 |
署名用 電子証明書 |
利用者証明用 電子証明書 |
---|---|---|
20歳以上 |
5回目の誕生日 |
5回目の誕生日 |
15歳以上19歳以下 |
5回目の誕生日 |
5回目の誕生日 |
14歳以下 |
発行できない |
5回目の誕生日 |
そして電子証明書の有効期間に更新しなければ「失効」してしまうため、その場合は再発行手続き(手数料200円)が必要となります。
「有効期間内での更新」における手数料は、まだ未定となっています。
※2015年に発足したため最初の更新が2020年であり、まだ誰も更新手続きをしていません
ちなみに、長浜市HPには以下のとおり記載されています。
新規発行手数料は当面無料です。
ただし、紛失・破損等の理由による再発行の場合は手数料800円(電子証明書も搭載する場合は+200円)が必要です。
なお、有効期間満了による更新に係る手数料については現時点では未定です。
引用:長浜市HP
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2.記載内容に変更があると失効する!
電子証明書のうち「署名用電子証明書」については、住所・氏名・性別・生年月日のいずれかの情報に変更があると、自動的に失効するようになっています。
そのため、引き続き使う場合は「署名用電子証明証」の再発行が必要となります。
「住所変更手続き」のタイミングで併せて手続きできるため、それほど面倒ではないですが、人によってはデメリットと感じるでしょう。
※再発行には手数料200円が掛かります
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3.パソコンで使う場合カードリーダーが必要!
マイナンバーカードを使ってe-taxによる申告手続きをする際や、パソコンでマイナポータル※を使う際には「ICカードリーダライタ」が必要になります。
「コンビニでの証明書取得」ではこのようなカードリーダは不要ですが、家で使う場合には必要になります。
くわしくは、ポータルサイト(ICカードリーダライタのご用意)をご覧下さい。
※マイナポータルをスマホから使う場合、QRコードで読み取れるためカードリーダは不要です
4.暗証番号が増える!
マイナンバーカードでは、カード発行時に
- 住民基本台帳
- 券面事項入力補助用
- 利用者証明用電子証明書
- 署名用電子証明書
という4つの機能に対して「暗証番号(パスワード)」を設定します。
※1〜3は同じ暗証番号でもOK
そのため、電子証明書を搭載しない場合は最低1つの暗証番号でも良いのですが、もしも電子証明書を搭載する場合は最低でも2つの暗証番号が必要となります。
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電子証明書の有効期限の確認方法と更新手続き!
電子証明書の有効期限と更新手続きについては、「電子証明書を搭載することによるデメリット」内で説明したとおりです。
有効期限はカード表面に記載されています。
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電子証明書は後で発行することも出来る!
マイナンバーカードの電子証明書は、最初に発行しなくとも、後で発行することも可能です。
その場合でも、初回発行手数料は無料。
- マイナンバーカード
- 電子証明書新規発行申請書(窓口にあります)
- マイナンバーカードに設定した暗証番号
- 電子証明書に設定する暗証番号
マイナンバーカードに設定する(設定した)暗証番号については、以下でまとめています。
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まとめ!
マイナンバーカードの「電子証明書」について説明しました。
最後に簡単にまとめると…
- 電子証明書とは、インターネットを使った公的な申請・届出などの際に、本人確認の手段として使われるもの
- 電子証明書には「署名用電子証明書」「利用者証明用電子証明書」の2種類ある
- 電子証明書を搭載すれば、住民票などをコンビニで取得できたり、自治体ポイントを貯めたりすることが出来る
- 搭載しない場合、それは「マイナンバーを証明できる身分証明書」でしかないと個人的には考えている
- 電子証明書には「有効期限がある」ほか、「住所変更・氏名変更などで自動失効してしまう」というデメリットも存在する
- 電子証明書は、後で発行することも可能である(初回発行手数料は無料)
当サイトでは、マイナンバーカードについてどこよりも分かりやすく解説しています。
併せて他のページもご確認下さい。
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