ユスリカの3つの対策・駆除、発生時期、幼虫・成虫の寿命や生態!

ユスリカの3つの対策・駆除、発生時期、幼虫・成虫の寿命や生態!

暖かい季節になると、不快な「蚊柱」をたてて大量発生する「ユスリカ」。

 

外壁や洗濯物に大量に付着することもあり、非常にやっかいな害虫ですね。

 

このページでは、そんなユスリカの

 

駆除・対策方法はあるのか?
発生時期はいつごろか?
生態や寿命はどれくらいか?

 

わかりやすく説明していきます。

 

この記事の目次

 

 

 

 

ユスリカの3つの対策と駆除!

 

ユスリカは「網戸・窓・外壁」などに、ビッシリと止まっているところをよく見かけます。

 

そして時に洗濯物にも付着するため、非常にやっかいな害虫です。

 

これは「季節」や「河川の環境」「家の周囲の環境」によって違いますが、特に

 

  • 川沿いの住宅
  • ガードレール

 

などでは、大量発生と共にその様子が見られます。

 

後に説明する「アレルギー要因となる」以外の害は特にないものの、大量発生するユスリカは不快害虫として駆除が必要です。

 

ユスリカへの対策は、大きく3つに分けて考えましょう。

 

  1. 外壁や窓に付着する場合の駆除・対策
  2. 洗濯物への付着対策
  3. アレルゲンとしての対策

 

 

外壁や窓に付着する場合の駆除・対策!

成虫のユスリカは、食害(植物を食い荒らすこと)もないですし、羽化後数日ですぐに死んでしまいます。

 

しかし次々と大量に発生するため、これらのユスリカを直接駆除する場合は、「専用の虫よけスプレー剤」をかければ速やかに駆除できます。

 

なおスプレー剤は外壁用や網戸用など様々なものが出ています。

 

網戸にはコチラがオススメ!】

 

 

外壁玄関灯にはこちらがオススメ!】

 

 

これらのスプレーだけでも、止まっているユスリカはほぼ問題なく対策できますし、「発生源に近い場所」にある壁や電灯などにスプレーしておけば、それらにも寄り付かなくなりますので、早めに対策をしましょう。

 

 

「光を減らす」は正解!

研究者の間では、

 

  • 壁の色
  • 電色
  • 電灯のワット数

 

によって、ユスリカがどのように反応するか研究されてきました。

 

しかしユスリカの行動は単純で、「より明るく見える方へ向かっていくだけ」の習性であることが分かりました。

 

よって「壁・電球の色を変える」のは対策になりませんし、「光源を減らすこと」しか対策のしようがないのが現状です。

 

しかし逆の発想で、光におびき寄せて殺虫する「電撃殺虫機」もあります。

 

 

丸洗いも出来ますし、アマゾンでも非常に人気の商品です。

 

 

 

蚊取り線香よりハッカ油!

ユスリカには「蚊取り線香」も一応有効とはされていますが、個人的なオススメはハッカ油をアロマディフューザーで焚くことです。

 

 

 

「ゴキブリへの忌避効果」としても有効ですが、蚊やユスリカにも効果を発揮してくれます。

 

「ハッカ油」のアマゾンレビューを見ても、多くの方が忌避効果を実感されています。

 

ハッカのニオイへの好みはあると思いますが、「蚊取り線香がダメだった」という方にはオススメします。

 

 

 

洗濯物への付着対策

ユスリカは毎年大量に発生するため、洗濯物へ付着することがとても多い昆虫です。

 

春の風の強い日などは、それだけユスリカが飛んでくる可能性も高くなります。

 

気を付けていても、「1匹も止まらないようにする」ことは難しいのが現状です。

 

 

どのように対策すべきか?

ユスリカは昆虫ではありますが、手で取れるほどの大きさもなく、触るとあっさりつぶれて死んでしまい、体液が洗濯物に付いてしまいます

 

洗濯物を取り込む時には、なるべくつぶさないように

 

  • 服や布団を手のひらで叩く
  • 揺らして振動を与える

 

ことよって、ユスリカを自ら飛び立たせるようにすると良いでしょう。

 

ユスリカをつぶすと細かくなり、粒子がアレルゲンとなるため、できるだけ避けてください。

 

また、布団用のアレルギー対策スプレーを使えば、布団や布の表面でアレルギー物質が固まりますので、手でさっとなでるだけで簡単に払うことができます。

 

 

こうしたスプレー剤の使用のほか、洗濯物や布団を干す際は近くに「吊るすタイプの害虫忌避剤」を使用することで、ユスリカ対策ができます。

 

 

「置くタイプ」や「吊るすタイプ」の殺虫剤は、スプレーのように布に直接振りかけないため、人体にも安全です。

 

ただしその分大きな効果は期待できないため、やはり洗濯物を取り込むときに、揺すり払うクセをつけるのが確実です。

 

 

 

アレルゲンとしての対策!

ユスリカは、ダニのように「アレルゲン」となる物質を持つことが分かっており、アレルギーの発症を誘発する場合があります。

 

特に、気管支に異常が起こる「ユスリカ喘息」と呼ばれる “呼吸器疾患” を発症する場合が少なくありません。

 

この疾患の原因は、死がいが風化して細かな粒子になり、それを知らず知らずのうちに吸い込むことによって起こります。

 

どこにでも発生する昆虫であることから、「昆虫由来のアレルギー」としてダニに次ぐ重要なアレルゲンとされています。

 

またこのことで、「不快害虫」としか捉えられていなかったユスリカは、「病害虫」としても考えられるようになりました。

 

 

どのように対策すべきか?

虫に限らず、アレルゲンへの一番の対策は「触れない・吸い込まない」ということです。

 

そのため、基本的には、家に侵入したユスリカの死がいをこまめに掃除することが一番の対策となります。

 

特に「洗濯物や布団についたユスリカ」を丁寧に落とし、それらに触れた時に吸い込まないようにすることが大切です。

 

そして、外で飛んでいるユスリカになるべく接触しないよう、川の近くなど発生源となる場所は避けるようにします。

 

もちろん道端に形成される「蚊柱」にも、接触しないようにすることも大切です。

 

難しいですが、一旦アレルギー物質として体が「拒絶反応」を起こした場合は、どうにか避ける以外に方法はありません。

 

ユスリカは環境をあまり選ばないため、ダニと同じように「地域から完全に駆除する」ことはできません

 

窓を開けなかったとしても、服やバッグに付着して侵入することも大いにあるのです。

 

そのため、まめに掃除をして家の中から排除することが有効な対策となります。

 

 

 

色々な方法を紹介しましたが、「大量発生する地域」では、自治体が水域に化学薬品を散布して対策を行っています。

 

これは成虫の発生を抑えるための薬剤ですが、もしあまりにも大量に発生する場合は、自治体へ相談し「薬剤散布」を願い出るのも一つの手です

 

 

ユスリカの発生時期はいつ頃?

ユスリカは日本だけでも1000以上もの種類が生息しています。

 

発生する時期は種類によって違いがありますが、ほとんどの種類が

 

春から夏にかけての水温が温かくなる時期

 

に発生しています。

 

そして9月〜10月あたりの初秋の時期も、二度目の発生時期となります。

 

ユスリカは生活排水が流れるような、いわゆる「ドブ川」で良く発生するため、

 

  • 田んぼ
  • 川の土手

 

などでは特にたくさん目にすることができます。

 

特に夏になるとユスリカがたくさん集まった「蚊柱」を目にしますが、これはユスリカの成虫が交尾のために行う行動であるため、発生時期よりも少し後に行われます。

 

 

この「蚊柱」は夏から秋に最も多くみられ、頭上にまとわりつくことから「頭虫」などとも呼ばれています。

 

 

フユユスリカもいる!

「フユユスリカ」は他のユスリカとは違い、秋の終わり〜冬(11月〜2月頃)にかけて大量に発生する種類です。

 

年間の「生活サイクル」が他のユスリカと正反対になっており、春から夏の間は繭を作り、川底で夏眠しています。

 

冬期は活動期となるため、他のユスリカのように冬眠はしません。

 

そして水温が下降し始めると、繭から幼虫が出てきて成虫となります。

 

成虫は他のユスリカと同様に、すぐに交尾をしメスが産卵をします。

 

つまり秋の終わりあたりに、一度交尾のために大量発生します。

 

そして、

 

  • この時生まれた卵は、12月には孵化して幼虫となる
  • 翌年1月には、成虫にまで成長する

 

というサイクルによって、1月頃にまた飛び始めるのです。

 

このように「寒い時期」だけに2回発生するのが、フユユスリカの大きな特徴です。

 

成虫が寿命となり、3月になって水温が上がってくる頃になると、次の世代が繭を作ってまた夏眠に入るのです。

 

 

愛知県の大量発生が有名!

フユユスリカの一種に、「キソガワフユスリカ」がいますが、こちらはその名のとおり「木曽川の周辺」に生息する種類です。

 

愛知県の一宮市や尾西市周辺では、これらの大量発生が著しいことで知られています。

 

外部参考リンク
一宮市:キソガワフユユスリカ対策事業について

 

 

 

「発生時期」をまとめると・・・

発生時期をまとめると、基本的には

 

春〜夏(3〜8月)、そして初秋の9〜10月

 

に発生します。

 

さらにフユユスリカが出る地域では

 

11月〜2月

 

でも発生することになります。

 

つまり、ほぼほぼ一年を通して発生する可能性があります。

 

 

成虫・幼虫の生態や寿命!

ユスリカとは一つの昆虫を指すものではなく、ユスリカ科の昆虫を総称した呼び方です。

 

日本には2000種類ものユスリカが生息しており、一般的には種類によって特別に区別されてはいません。

 

ほとんどのユスリカが

 

  • 田んぼ

 

などの淡水に住んでいますが、海水と淡水が混じる水域や、湿った土壌の中に生息する種類もいることから、「どこにでも生息している昆虫」だと言えます。

 

 

 

幼虫の特徴!

ユスリカの幼虫は、熱帯魚や金魚にエサとして与えられる「アカムシ」として知られています。

 

 

 

またアカボウフラとも呼ばれていますが、「蚊の幼虫」のボウフラとは区別されています

 

ユスリカは、幼虫が水中で体を揺らすように動かしている様子から、この名前が付けられました。

 

この行動は身体のクセなどではなく、「大量の幼虫が一度にゆらゆらと揺れることで水流を起こし、細かな微生物を巻き上げて食べるため」だと言われています。

 

 

海に棲む「ウミユスリカ」

ほとんどの種が川やドブで生息していると思われていますが、中にはウミユスリカといって

 

  • サンゴ礁
  • 汽水域

 

に生息するものもいます。

 

 

「淡水域で生きるタイプ」にも色々な種類がある!

また、淡水域であっても

 

  • 落ち葉の中や清流を好むもの
  • 岩の表面に棲管をくっつけてユラユラしているもの
  • 川底の砂を集めて巣を作るもの

 

など、多様な生活習慣を持つ幼虫が生息しています。

 

幼虫は成虫とは違ってエサを食べていますが、プランクトンであったりデトリタスと呼ばれる「微生物の死がい」を食しています。

 

珍しいものでは、水生昆虫に寄生しているものもいます。

 

なお、ユスリカの「羽化」は一般的に水面で行われますが、この行動はどの種も共通しています。

 

 

 

成虫の特徴!

ユスリカの成虫は、大群が集まって空中でホバリングする「蚊柱」が有名です。

 

 

 

これは「ユスリカの大群がただ飛んでいるだけ」ではなく、交尾行動の一環なのです。

 

この蚊柱はメスが1匹だけで、ほとんどがオスであると言われますが、まれにメスが飛び込んできて、中のオスと出会い交尾をすることもあります。

 

ちなみに、この「蚊柱」は分かりやすい何かを目印に集まっているため、そこに人が通りがかると、目印を大きいものに変更してついてくる習性があります。

 

通った人の身長がその周囲の壁や木などよりも大きければ、ユスリカは目印を人間に変更してしまいます。

 

そのため、急に頭上にまとわりついて数メートルも付いて来てしまうのはそのためです。

 

ただ、こうした日本の「蚊柱」も世界から見れば小さめで、大量発生するアフリカのマラウィ湖では、数十メートルもの蚊柱が作られることで有名です。

 

 

寿命はかなり短い!!

成虫になってからの寿命は、わずか3〜7日ほどと言われています。

 

この間に蚊柱をつくり、必死に交尾を行うのです。

 

 

吸血することはない!

ユスリカの成虫は、見た目も名前も蚊に似てはいますが、人を刺して吸血することはありません。

 

それどころか元々寿命がとても短く、数日で死んでしまうのです。

 

これは口が退化しており、エサを食べないまま寿命を迎えるためであり、もし姿が似ていても、「刺す昆虫」であった場合はそれはユスリカではないと判断できます。

 

 

ユスリカは益虫(役にたつ虫)なの?

上記のとおり、ユスリカは不快害虫です。

 

しかし以下の2点において、役にたつ虫でもあります。

 

 

「環境指標生物」としてのユスリカ

ユスリカは「環境指数生物※」とされています。

 

※簡単に言うと「環境の条件(状況)」を示してくれる生物のこと

 

 

これはユスリカの習性に秘密があります。

 

まず、「川・沼」にリン酸や窒素などが増えて「富栄養状態」になると、ユスリカがそれを栄養源として発生します。

 

しかし川の汚染がさらに進み、完全に有害となると、ユスリカは発生しなくなるのです。

 

ここから、時間経過や、整備が行われひどい汚染状態から浄化されると、「富栄養状態」にまで戻れば再び発生します。

 

川にユスリカが発生することは決して異常な状態ではなく、水質が適度な栄養状態であれば自然に発生するのは当たり前なのです。

 

このように、水質の差で発生の有無が変わるため、環境のバロメーターとなっています。

 

環境整備された河川のほうが正常であり、正常だからこそユスリカが発生すると一般的に考えられています。

 

 

 

河川を浄化するユスリカ

ユスリカは、幼虫の時期は「河川の底」に溜まった有機物を食べて過ごしています。

 

そのためユスリカ自体が河川を汚すことはなく、過剰な有機物の除去だけを行うため「益虫」だとされています。

 

また河川の底の泥に幼虫が潜り込むことから、降り積もった泥の中に水中の酸素が送り込まれ、定期的な水質改善にも役立っているのです。

 

そして、たくさんの幼虫は「魚の良いエサ」となり、成虫になってからは鳥類やクモなどのエサとなるため、一生をかけて食物連鎖を支える生物として重要な存在だとされています。

 

人間からすると

 

  • 「アレルゲン」
  • 「不快害虫」

 

でしかありませんが、このような形で間接的に人間とも関わっており、知らないうちにお世話になっている昆虫なのです。

 

 

 

このページのまとめ!

最後に、このページの要点をまとめます。

 

  • 基本的には「春〜夏」に発生するが、フユユスリカは「秋の終わり〜冬」にかけて発生するため、場合によっては年中対策が必要となる。
  • 外壁や、窓・網戸に付着するユスリカは、それぞれに対応したスプレーで「駆除」や「寄せ付けない効果」を発揮する事が出来る。
  • 光に集まる習性があるため、玄関灯などにも忌避スプレーをかけておくと良い。
  • アレルゲンになるため、屋内・屋外の死骸は定期的に掃除すること。
  • 潰れやすいため、布団や洗濯物についたユスリカは、揺らし落とすこと。
  • 成虫になってからの寿命は3〜7日しかない。
  • 蚊のように吸血することはない。

 

ユスリカ以外にも、さまざまな害虫の駆除・対策・生態についてまとめていますので、あわせてご確認ください!