カメムシの臭いの消し方7つと成分!自然に消える?ファブリーズは有効?

カメムシの臭いの消し方7つと成分!自然に消えるものか?ファブリーズは有効か?

こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫と暮らしてきたアキラです。

 

カメムシは、外部からの刺激が加わると「強烈なニオイ」を放ちます。

 

そしてこれが手や衣類に付いてしまうと、なかなか落ちなくて大変。

 

今回はそんな「カメムシのニオイ」について、

 

  • 簡単に落とす方法
  • どんな成分なのか?
  • 自然に消えるのか?

 

などなどを分かりやすくまとめてみました。

 

 

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におい消しの方法7選!

カメムシの捕獲に失敗した時や、知らないうちに服についていたカメムシを刺激してしまった時に、臭いをつけられることがあります。

 

ここでは、「手や衣類、床、部屋全体についた臭い」を消す7つの方法を説明します。

 

 

ドライヤーやアイロンを使う

対象物となるもの

  • 衣類
  • ファブリック
  • 床(ドライヤーの場合)
  • 洗うことが難しいもの

 

カメムシの臭い成分である「トランス2ヘキサノール※」は温める事でにおいが揮発(気体となって発散する)する性質があります。

 

※成分についてはこの後説明します

 

これを利用して、ドライヤー・スチームアイロンで温めてにおいを飛ばしてしまうのです。

 

におい消しの方法としては完全ではないのですが、もし急いでいる場合は、この方法で臭いを緩和できます。

 

また強めの日光でも可能ですので、一時的に天日干ししても良いでしょう。

 

この方法では完全ににおいの元がなくなるわけではありません

 

完全に消えるまでには時間もかかりますので、対処する時間があればなるべく早めに洗うことをおすすめします。

 

 

 

 

ゴシゴシ丹念に洗う

対象物となるもの

  • 布類
  • 手指

 

オーソドックスな方法ですが、万能ではありませんので注意が必要です。

 

カメムシの臭い成分は落ちにくいため、「丁寧に」「時間をかけて」「何度も」洗うようにと昔から言われています。

 

しかし根気のいる作業となるだけでなく、洗うものによっては傷めてしまうこともあります。

 

落ちにくいことから「スポンジを使うと良い」とも言われていますが、布類や合皮などは傷めて表面が剥げてしまうことがあるので適切ではありません。

 

臭いはある程度落ちますが、力で落とす方法は物を選んだ方が良いです。

 

なお、洗う場合は流れやすいようにお湯を使いましょう。

 

 

 

油を使う

対象物となるもの

  • 布類
  • 手指

 

上で説明の「ゴシゴシ洗う」よりは、油を使った方が早く臭いが落ちます。

 

カメムシのにおいの成分は、「トランス2ヘキサノール」という脂肪酸の一種であり、油に溶ける成分でもあります

 

ゴシゴシこすっただけでは水をはじいてなかなか落ちていない可能性があるため、

 

  • クレンジングオイル
  • オリーブオイル
  • 料理用のサラダ油

 

などを使って洗うと格段に落ちやすくなります。

 

さらに油をなじませたあとは、油自体を落とすために

 

  • 石けん
  • 台所用洗剤
  • 工業用油を落とすための作業着専用の洗濯洗剤

 

などを用いて丁寧に洗いましょう。

 

これらの洗剤には「界面活性剤」が含まれており、親油性のある「脂肪酸」と混ざり合って、においを落とすことができます

 

ただし布によっては「油染み」ができることもありますので、その時は後ほど説明する「浸け置き」など他の方法で落としましょう。

 

 

 

 

オレンジの皮を擦り付ける

対象物となるもの

  • 手指

 

オレンジの皮には「天然のオイル成分」が含まれており、この成分がカメムシのにおいの成分を流して落としてくれます。

 

オレンジの皮や成分が、「オレンジオイル」「オレンジクリーナー」として掃除に使われるのはこのためです。

 

手であればしっかりとこすりつけてからお湯で洗い流しましょう。

 

床などはこの方法で掃除すれば、においを消すことができます。

 

【オレンジクリーナー】

 

 

 

 

片栗粉と酒を使う

対象物となるもの

  • 布類

 

食品を使ってにおいを落とす方法です。

 

用意するものは「片栗粉」「日本酒」の2つ。

 

  1. においのついた部分に日本酒を振りかける
  2. その上から片栗粉をまぶして、においのついた部分になじませる
  3. なじんだら水で洗い流す

 

これは料理ではよく使う方法で、「エビのくさみ消し」に使われます。

 

なお、以下のとおり他の食材でも代用が可能。

 

  • 日本酒⇒牛乳でも◎
  • 片栗粉⇒小麦粉でも◎

 

 

 

浸け置き洗いをする

対象物となるもの

  • 布類
  • 衣類
  • その他浸け置きできる物

 

これは「カメムシ駆除業者」が行っている方法です。

 

中性洗剤をぬるま湯に入れて、そこに臭いがついた衣類などを浸します。

 

この状態で半日ほど経ってから、洗濯機に移して「標準モード」で洗濯します。

 

この方法であれば、時間はかかりますが「油染み」を作らずににおいを落とすことができます

 

なお、中性洗剤は油が落ちやすい「柑橘系洗剤」が良いでしょう。

 

オレンジエックスが有名です。

 

 

 

 

 

「部屋の中の臭い」への対策

対象物となるもの

  • 部屋の臭い

 

部屋の臭いの場合は、「臭いの場所が特定出来るか?」によって変わります。

 

 

場所が特定できない場合

部屋の中で臭いはするが、場所が特定できない場合もあります。

 

そんな時は以下を試してみましょう。

 

  1. 部屋を暖めて揮発させる
  2. 窓を開けて風通しを良くする
  3. 部屋全体に柑橘系の消臭スプレーをする

 

においをピンポイントで対処できないのなら、最終的には消臭スプレーで紛らわせるしかありません。

 

なるべく特定を行い、物の特定に至らなくても、部屋を小さく仕切って特定していきましょう。

 

 

 

 

場所が特定できる場合

もしにおいの場所が特定できている場合は、

 

  1. ドライヤーやスチームアイロンを当てて揮発させる
  2. 洗えるものは洗ってにおいの元を落とす
  3. 部屋を暖めてにおいの元を揮発させる

 

といったように、においがついている物の性質によって対処を変えていきましょう。

 

対処後数日は空気を入れ替えて、残ったにおいを逃がすと良いでしょう。

 

 

エアコン内に入っている場合

秋から初冬にかけては、カメムシが冬眠のためにエアコンに入り込んでしまう場合があります。

 

この場合については、当ページの最後に説明しています。

 

>>余談:エアコンに入り込んだ場合

 

 

 

 

ファブリーズについて

ファブリーズは、商品によっては効果が見込める可能性があります。

 

詳しくは後ほど「ファブリーズは効果があるのか?」で説明します。

 

 

カメムシの「臭い成分」はなに?

カメムシが放つニオイは、「臭くて落ちにくい」という特徴があります。

 

では一体どのような成分で構成されているのでしょうか。

 

 

においの成分は?

カメムシのにおいの成分は「悪臭のある脂肪酸」で、「カメムシ酸」などとも呼ばれています。

 

においの成分は「トランス2ヘキセナール」という物質が主成分です。

 

この中には主に3つの成分が含まれています。

 

 

 

@ヘキサナール
鎖状脂肪族アルデヒドの一種です。

「青くささ」や「ダイズの独特のにおい」の成分で、この青くささを「青葉アルデヒド」と呼びます。

 

 

Aオクテナール
脂肪臭のある成分です。

「獣臭」や「油っぽいナッツ臭」の元となっています。

これらはカメムシにとっては「フェロモン物質」の一つで、警戒フェロモンとなるにおいです。

 

 

Bデセナール
ヘキサナールと同様に「青臭さ」の成分の一つです。

 

 

 

これらはいずれもアルデヒドの一種で、カメムシのにおいを作っている主なものです。

 

これらの性質が

 

  • 親油性(人体や繊維などが持つ親油性の部分になじみやすい)
  • 揮発性(常温で気体となって発散すること)

 

であるために、「においの取り方に工夫が必要」な一方で、「工夫すれば落とせるニオイ」でもあるのです。

 

 

 

「青葉アルデヒド」は身近な存在である

この青くささを作っている「青葉アルデヒド」は、カメムシだけに含まれる珍しいものではありません。

 

果物では

 

  • リンゴ
  • イチゴ
  • バナナ

 

などにも含まれる一般的なにおいの成分なのです。

 

植物の葉や草にもたくさん含まれており、葉野菜にも、多くの樹木にも含まれています。

 

また「お茶の青臭い成分」も同じであるとすでに証明されています。

 

この「青葉アルデヒド」は、薄めたものが香水に使われたり、フルーツフレーバーを作る時にも使用されることもあり、一般的には「悪臭」という扱いではありません。

 

我々にとっては身近な香り成分の一つなのです。

 

ではなぜ、「カメムシの場合はこれほどまでに臭いのか?」と言うと、カメムシの場合は「青葉アルデヒド」が他に類をみないくらいに濃縮されているために悪臭になるのです。

 

 

 

自然に消えることもある?

カメムシのにおいの成分は、本来は「自然に消えるもの」です。

 

環境にもよりますが、遅くとも1週間程度で消えていきます。

 

これはにおいの成分が「揮発性」であるため、時間が経てば成分が揮発しきって散っていくのです。

 

たとえば「マジックペンなどに含まれるの揮発性のにおい」と同じように、

 

  • 気温が高いか低いか?(高い方が揮発する)
  • 風通しが良いか密閉空間か?
  • においの元が大量か少量か?

 

で消える時間が変わってきます。

 

この条件によってはニオイが消えるまでに1週間ほど掛かることもありますので、もし部屋に放出された場合は、「揮発しやすい環境」を作っておくと良いでしょう。

 

もしにおいの元がどこにあるか分からない場合は、においが消えるまでの1週間は、ニオイを紛らわすために「柑橘系の消臭スプレー」を撒いておくと効果的です。

 

何度もスプレーしなければなりませんが、悪臭を少しでも緩和することができます。

 

 

ファブリーズでも消すことは出来る?

お部屋や衣類のにおいの消臭剤として人気を誇るファブリーズ。

 

ではカメムシのにおいに関しては効果があるのでしょうか。

 

実はカメムシのにおいに対しては、「誤魔化しに近い」という程度の効果だと言われています。

 

スプレーをしてもニオイが消えるまで時間がかかり、洗った時のような「しっかりした消え方」はほとんどないという声が多いです。

 

 

においの元を断たないと難しい

ファブリーズの使用上の注意には、

 

「汚れが原因のニオイは、使用後、汚れから再びニオイが発生することがある。」

 

と書かれています。

 

つまり根本原因である「においの成分」を取り除かなければ、やはり難しいのでしょう。

 

実際に「ファブリーズはカメムシのにおいには効果がなかった」という声が多くあります。

 

ファブリーズを使う場合は、「においを消すため」ではなく「においの元が消えるまでの悪臭緩和」程度に使うのが良いでしょう。

 

 

 

「加齢臭用」なら効果ありかも?

ファブリーズは目的に応じて何種類も発売されていますが、種類を選べば効果がある可能性があります。

 

たとえばカメムシのニオイ成分が「加齢臭」に近いことから、「加齢臭に効く」ファブリーズであれば、ある程度効果はあると考えられます。

 

カメムシ臭の発生原因も、加齢臭の発生原因も、どちらも「脂肪酸が酸化することによって生じるもの」とされています。

 

 

 

ただしわざわざこのために購入するくらいであれば、洗ってしまったり、揮発しやすい環境を作る方が早いでしょう。

 

 

 

例えるととどんなニオイがする?

カメムシのにおいはなんとも言えない強烈なものですが、例えるならばどんなニオイなのでしょうか。

 

成分が近いものが「似ているにおい」と言われています。

 

 

パクチーのにおい

カメムシのにおいは、成分的に「脂肪酸の酸化したニオイ」となるため、

 

  • 酸っぱいにおい
  • 青臭いにおい
  • 脂っぽいにおい

 

が特に目立つにおいとなります。

 

これは「パクチーのにおいに似ている」と言われています。

 

パクチーは近年大ブームとなり、女性に人気で様々な食品に使われるようになりました。

 

このパクチーはタイ語での呼び方であり、英語では「コリアンダー」と呼ばれる香草です。

 

アクセントとして料理の上に散らして使うハーブの一種です。

 

しかし実は別名を「カメムシ草」と呼ばれているのです。

 

パクチーとカメムシのにおいが似ているのは、世界共通の認識なのでしょう。

 

またこの成分は「青葉アルデヒド」と呼ばれ、キュウリやトマト、茶葉にも含まれている事から、カメムシのにおいを「キュウリの腐ったにおい」と表現する人もいます。

 

「キュウリの腐ったにおい」を凝縮していくと、「カメムシのにおい」に近くなるのです。

 

 

 

加齢臭

加齢臭の成分である「不飽和アルデヒド」の一種の「ノネナール」は、カメムシの悪臭と近い成分であり、似たニオイだと言われています。

 

「ノネナール」は

 

  • ソバの青臭いにおい
  • 熟成したビールの油っぽいにおい

 

の主要成分でもありますが、年齢と共に「人間の体表に増えてくる」ことが分かっています。

 

カメムシのにおいも「油っぽい酸化したにおい」ですので、成分的には加齢臭も近いものがあるのです。

 

 

 

 

余談:エアコンに入り込んだ場合

秋から初冬にかけては、カメムシが冬眠のためにエアコンに入り込んでしまう場合があります

 

そしてエアコンの動きに反応して、カメムシが内部でにおいを出して威嚇する場合があるのです。

 

こうなるとエアコンをつけるたびにカメムシくさくなってしまいますので、早めに対処を行いましょう。

 

しかし自分で駆除しようとすると刺激してしまい、さらに威嚇してににおいを発することも多々あります。

 

この場合は駆除業者に頼んで駆除してもらい、エアコン内もキレイにしてもらうのがベストです。

 

下手に駆除薬やスプレーなどをエアコンにかけると、水分が電気で引火する可能性も。

 

専門業者であれば「カメムシが入り込まないような対策」も相談できますので、なるべくならプロに依頼をしましょう。

 

 

 

 

さいごに!

カメムシのニオイは、心配しなくとも自然と消えていくものです。

 

色々な方法がありますが、やはり手軽さで見ると

 

  • クレンジングオイルなどで洗う
  • ドライヤーを当てる
  • 換気する

 

などが簡単です。

 

全く落ちない場合は、複数の方法をかけ合わせて行ってみて下さい。

 

なおカメムシはなんと1000種類を超え、ニオイの強さも違います。

 

生態を分かりやすくまとめていますので、以下の記事も合わせてご覧ください!
>>カメムシの種類や天敵、寿命、噛むか?飛ぶか?など【生態まとめ】

 

 

また「発生原因・対策」を知りたい方はこちらをどうぞ。
>>カメムシが大量発生する3つの時期・原因と対策6選!【大雪との関係】