ガガンボ(カトンボ)という「でかい蚊」の幼虫や種類、駆除、刺された時の対処!
フワフワと浮遊し、壁にひっついている「大きな蚊のような虫」。
その多くは「ガガンボ」という虫ですが、
人を刺すの?刺されたらどうするの?
どうやって駆除すればいいの?
と疑問を持っている方も多いでしょう。
そこでこのページでは、ガガンボの生態や種類、駆除方法をどこよりも分かりやすく説明していきます。
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ガガンボってどんな虫?!
ガガンボは、世界中にたくさんの種類がいる昆虫で、
ハエ目 カ亜目 ガガンボ科
の総称となります。
「ガガンボ」という名前以外にも、
- カトンボ
- 大蚊
- カゲロウ
- ショウジハリ
- アシナガムシ
などたくさんの別名を持つ昆虫ですが、ガガンボという名前自体は「蚊の母」という意味だとされます。
「カゲロウ」という虫は別にいる!
「カゲロウ」という虫はガガンボとは別にいます。
しかしガガンボに対しても、恐らく「ふわふわ飛ぶ虫」という意味でカゲロウと呼ばれていると推測されます。
特徴@:ガガンボの体は弱すぎる!
ガガンボの特徴は、なんといってもその細く長い脚です。
どのガガンボもとても弱い体であり、触れると足がすぐに取れてバラバラになってしまうほどです。
しかし見た目の大きさから「不快害虫」とされており、街灯に集まらないよう対策が施されることもあります。
特徴A:光に強くひきつけられる
他の多くの昆虫同様に光に、光に強くひきつけられる習性があります。
これは「月や太陽を目印に、距離を測って飛ぶ習性を持っている」ためです。
ほとんどのガガンボの活動期である「初夏〜晩夏」には、街灯が汚れてしまうほど飛び回る姿を目にすることができます。
ガガンボは人間を刺すの?
ガガンボは「蚊のおばけ」や「大蚊」などと呼ばれることもありますが、実際は人間を刺すことはありません。
大きなストローのような口吻で、花の蜜を吸うことはあります。
また身体は極めて弱い構造であるため、特に「害をなすような行動」も起こさない(起こせない)のです。
そのため、近くにいても特に恐れる必要はありません。
とは言え、見た目的にも「気持ち悪い」ため、駆除したいという方も多い虫です。
ガガンボの駆除・対策6選!
ガガンボは「人体に影響のあるような問題」は起こしませんが、見た目の気持ち悪さから不快害虫とされ、駆除されることが多くあります。
また光へおびき寄せられる性質があるため、「24時間稼働の工場」に侵入し、異物混入の問題となる場合もあります。
そのため家庭だけでなく、社会全体で駆除すべき昆虫の一つだと考えられています。
と言うことで、ここからはガガンボを駆除・対策する6つの方法を紹介しましょう。
もし家の中にガガンボが飛び込んできたり、どこからか発生したのであれば、直接「殺虫スプレー」を吹きかけるだけで殺すことができます。
殺虫スプレーは簡単なもので良く、安価に売られている「害虫対策用のスプレー」でほとんど問題なく駆除が行えます。
ガガンボの「光に引き寄せられる性質」によって「街灯」などに寄り付かないようにしたいなら、忌避剤をスプレーすることで簡単に対策することができます。
忌避剤の中には「編み戸用」「ガラス窓用」「外壁用」など様々なものがありますので、上手に使い分けると良いでしょう。
なお、夜帰宅した時に「玄関の明かり」にとまっているガガンボが家の中に入ってしまうこともあります。
そのため、明かりがついていない段階でスプレーをかけておきましょう。
なおスプレーには「ユスリカ用」などと書かれていますが、たいていの殺虫成分に効果がありますので、問題はありません。
【網戸や窓にはコチラがオススメ!】
【外壁や玄関灯にはこちらがオススメ!】
スプレー剤の薬剤が気になる場合や、直接スプレーできない場合は、「吊り下げておくタイプの忌避剤」が効果的です。
現在では
- 30日タイプ
- 60日タイプ
など長期間効果のある忌避剤もありますので、スプレーと併用しても良いでしょう。
「スプレー剤の吸い込み」による害を懸念するのであれば、こちらが手軽で安心です。
「光に集まる習性」を逆手にとって、殺虫することができるものがこの「電撃殺虫器」です。
青白い光を放つ機械を設置して、内部に入り込んだ昆虫を電気で退治するものです。
コンビニや食品店の入り口でも設置されていることがあります。
玄関やベランダの少し離れた場所に設置し、ガガンボを電撃殺虫器に集めてしまえば自動的に駆除されます。
この方法では他の「光に集まる虫」も合わせて退治することができますので、
- 「ペット用の昆虫」を飼育しており、スプレー剤が使えない場合
- 赤ちゃんがいるような家庭
でも薬害がなく安心して使用できます。
価格も2000円ほど出せば良いモノが購入できますので、設置場所の環境に合ったものを選びましょう。
唯一のデメリットとしては、昼間は外が明るいため、夕方〜夜にかけてしか効果が発揮できないという点でしょう。
最も手っ取り早く、かつお金のかからない方法ですが、昆虫が苦手な人には難しいかもしれません。
ガガンボは体がとても弱いため、手で叩いたり新聞紙を丸めて叩き落とせば簡単に殺すことができます。
また掃除機で吸ってしまうのも一つの手です。
脚がばらばらに散ってしまう可能性もありますので、そのまま掃除もしておきましょう。
「毎年どこからともなくガガンボが現れる」という場合は、侵入している他に排水口から発生している可能性もあります。
そういう時は、
- お風呂の排水口
- 洗濯排水用の排水口
を念入りに掃除しておきましょう。
ガガンボは水がなければ生きていけませんので、水回りをしっかり掃除していれば問題はありません。
パイプ用の薬剤を流してしっかり汚れを除去すれば、たとえ「ガガンボの卵」が潜んでいても一緒に駆除されてしまいます。
ガガンボの種類は1000種類?!
ガガンボは、日本でもかなりの種類があるためはっきりしてはいませんが、現在では1000を超す種類が生息していると言われています。
たくさんの名前がありますが、それだけ多くの地域に生息しているという証のようなものなのでしょう。
ここでは代表的な4種類を紹介しましょう!
北海道から九州まで幅広く分布している、とても見つけやすい種類です。
都心部でも見ることができるメジャーな種類ですが、イネやムギを好物としているため、自然の多い
- 水田
- 畑
の周辺で良く見られるガガンボです。
体の特徴は?
キリウジガガンボは14〜18mm程度の体長で、羽根は20mmほどとなっています。
羽根には前方部分にやや濃く色がついており、後方部分は透明に近い色合いです。
ちなみに「キリウジガガンボ」という名前は、幼虫が腹部から切り取ったような形であるため、「切りウジ」となったと言われています。
その他、特徴
幼虫は、
- 水田や畑の土の中の腐った植物
- 植物の新芽・根っこ
などを好んで食べてしまうので、イネ類の害虫だとされています。
しかし成虫は、水を飲む他は花の蜜を吸うだけの食性ですので、水田からは去ってしまうため無害となります。
活動期は?
キリウジガガンボの活動期は3月〜6月の初夏までと、9月〜11月の秋の時期となります。
こちらもとてもメジャーなガガンボで、北海道と離島、沖縄を除く地域であれば、全国どこででも見ることができ、四国でも確認されています。
体の特徴は?
日本最大のガガンボで、体長は40mmを超えるものもいます。
羽根を開いてとまると広げた長い足がさらに身体を大きく見せ、開帳時は80mmを超えるものもたくさんいます。
まさに手のひらサイズです。
羽根にはまだら模様はなく、中央に黒い脈相が一筋走っており、シンプルな色合いです。
そして脚はくすんだ黄色をしています。
ミカドガガンボは山林などで葉に静かにとまっていても、地味なカラーでうまく植物に紛れています。
その他の特徴は?
その迫力には不似合いなほど、食性は大人しく水分のみを摂取します。
まれに花の蜜も摂取するようですが、本来は湿った水分の多い環境を好みます。
幼虫は他のガガンボ同様に水棲となるので、土の中の腐った植物の根などを食べて育ちます。
ミカドガガンボは「帝大蚊」という書いて字のごとく、とても大きな体が特徴。
羽音も大きく、トンボが飛んで来たのかと思うような雰囲気があります。
全てが大きいため「顔の複眼」や「鋭い口吻」が目立って驚きますが、実際は他のガガンボ同様に人を刺すことはありません。
活動時期は?
活動時期は6月〜8月で、夏に良く目にする「驚くほど大きい虫」の一つです。
ミカドガガンボと同様に、日本に生息する最大級のガガンボです。
身体が驚くほど大きく、日本全土で見られるため比較的発見しやすい種類です。
体の特徴は?
マダラガガンボの大きな特徴は、羽根のまだら模様と大きな身体です。
長い羽根からはみ出すほど腹部はさらに長く、ミカドガガンボには劣りますが、30〜40mmの大型となっています。
中には45mmオーバーの個体もおり、か細い身体でありながら「街灯に集まる昆虫の中でも抜群の存在感です。
身体が大変大きいため、街灯などで止まっていると分かりやすく、すぐ見つけられます。
また「羽根がまだらの種類」は多くいますが、マダラガガンボはその中でも群を抜いて大型のガガンボです。
その他の特徴は?
幼虫は水棲であるため泥の中の腐った植物などを食べますが、成虫になるとエサは食べず、たいていのガガンボと同様に、口にするものは水のみとなります。
活動時期は?
マダラガガンボの出現時期は4月〜7月のみとなります。
その名前のとおり、べっこうに似たオレンジ色と黒が交互に配色された、美しい色のガガンボです。
生息地域は北海道から九州まで大変広く分布しており、ある程度の耐寒性があることが伺えます。
体が小さいことと、生息場所が都心部より山林に偏っていることで、実際はなかなか見ることができません。
たとえば山の中でキャンプをしている時などに、川辺などで見られることもあります。
体の特徴は?
ベッコウガガンボは、腹部の真ん中あたりに「べっこうに似た鮮やかなオレンジ色」を持ち、尾部は黒色となっています。
また羽根は「先端・付け根部分」が大きく黒色に染まり、羽根の真ん中の部分は「荒い模様」でオレンジ色です。
他のガガンボとは異なり、オスの触覚は一本ではなく蛾のように櫛状になっているのが特徴です。
なお、ベッコウガガンボは13mm〜17mm程度と体長が小さく、見つけにくい種類です。
実際に街灯に集まっていたとしても、他のガガンボもたくさんいる場所ですので、目立ちにくく発見しずらいです。
しかし美しい模様は、一度見ると見とれてしまうような鮮やかさがあります。
活動時期は?
ベッコウガガンボは4月〜9月が活動時期となります。
ガガンボに超似ている2つの虫!
昆虫の中には「似た種類」が必ずいるものですが、ガガンボにも似ている昆虫が存在します。
ガガンボに大変良く似た「ガガンボモドキ科」の昆虫です。
見た目は似てはいますが、
- ガガンボは「ハエ目」
- ガガンボモドキは「シリアゲムシ目」
という全く別の種類となります。
基本的には系統が大きく違っており、生活や食性なども異なります。
たとえば食性は、
- ガガンボは水の摂取のみor花の蜜を吸う
- ガガンボモドキは肉食で小さな昆虫を捕えて食べる
とう違いがあります。
そのため、ガガンボモドキには狩りに使う「鎌状の爪」が長い脚の先についています。
これはガガンボには絶対に見られない器官です。
これにより、ガガンボモドキは植物の葉などにぶらさがりながら狩りを行うことができます。
ぶら下がるという行動はガガンボと同じですが、その姿勢から狩りができるのは、ガガンボモドキの大きな特徴です。
日本では寒冷地を中心に生息しているのも、ガガンボと異なる点と言えるでしょう。
ガガンボダマシは、
ハエ目 カ亜目 ガガンボダマシ科
の昆虫を指します。
※ガガンボは、「ハエ目 カ亜目 ガガンボ科」
そのためガガンボに似てはいますが、こちらも大きく違う昆虫であると言えます。
ガガンボとは羽根のデザインで区別することができますが、パッと見でも羽根が小さく、模様も少し地味です。
さらに脚もガガンボより短めで、触覚は長めとなっています。
ガガンボダマシはほとんどが寒い時期を中心に活動するため、ガガンボとは正反対で冬に良く見かける昆虫です。
たとえば雪上を歩いている姿が良く見られます。
このガガンボダマシは、「メスの羽根」が成長していない種類のものもあり、雪の上を歩いて交尾の相手を探していることもあるため、このような姿が見られるのです。
ガガンボの幼虫ってどんなの?
ガガンボの成虫は手足も細く、叩くとすぐに死んでしまうか弱い昆虫ですが、幼虫はたくましいイモムシのような形をしています。
水棲のため、田んぼや畑の泥の中など、基本的には水の中で活動しています。
幼虫の特徴は?
イモムシ型の幼虫ですが、後方(お尻側)には呼吸管が付いており、トゲトゲしているように見えます。
しかし体全体はブヨブヨと水を含んだような感触です。
どちら側も頭部に見えませんが、トゲトゲしているように見える部分の反対側が顔で、少し黒ずんでいます。
呼吸はトゲトゲした部分を水面に出して行いますので、頭部を水中から出すことはありません。
動きは「蝶のイモムシ」などと同じように、這って水中を歩きます。
幼虫はエサも成虫とは違い、水の中の「植物の根」などを食べています。
ガガンボが害虫と呼ばれるのは、この幼虫期の食性が原因です。
植えつけたムギやイネの根っこを食べてしまうため、食害が出て農家からはかなり嫌われています。
このため地方によっては「イネノネキリムシ」と呼ばれることもあります。
生態系に貢献している虫である
街の中にある河川で一般的に見られることの多い「キリウジガガンボの幼虫」。
しかし河川が整備され、下水処理水が混ざると一気に姿を消してしまいます。
逆に「下水処理水がない河川」では、イネ科植物の隙間にたくさん見られることから、一種の環境指標(環境の状態を計るもの)とされることもあります。
また、農業害虫とされるガガンボの幼虫ですが、「鳥や魚のエサ」となっていることから、数が減少すると「周囲に生息する他の生物」の数に影響を与え、、環境問題となることも考えられます。
実際に釣った魚の胃がらガガンボが出てくることも少なくありません。
か弱く寿命も短い昆虫ながら、生態系に貢献している昆虫なのです。
ライフサイクル
ガガンボの成虫は、浅瀬や早瀬の大きな石を選んで巣を作ります。
メスが一度に産み付ける卵の数は、なんと100個近く。
特に栄養が豊富な川の中流あたりに多く、白く平たい繭(まゆ)のような巣をあちらこちらで目にすることができます。
卵は耐寒性があり、「10℃に満たない水温」でも春まで乗り越えることができます。
そして卵は産み付けられてから30日前後で孵化します。
しかし地域によっては冬期が長いため、氷点下の環境では卵期が長くなり、越冬するまで卵のままでいるようです。
そしてガガンボの幼虫は、3〜5月と9月前後に蛹(さなぎ)となり羽化します。
羽化時期は種類によってまちまちですが、交代するように別の種類が次々に羽化し、またユスリカと争うように一気に羽化することもあります。
ガガンボはハチミツなども食す!
ガガンボは、どの種類も
- 水
- 花の蜜
などを摂取して生活しています。
肉食ではないため「小さな昆虫」を狩りして食べることもありません。
しかし全く栄養のない水だけで過ごしているかというと、疑問が残ります。
なぜなら、昆虫ゼリーのような「甘い蜜に似たもの」を与えると好んで吸うからです。
このことから、水分の中に含まれる有機物を栄養源にしているとも考えられています。
また、飼育下ではハチミツなどをおいしそうに舐める姿が観察できます。
さいごに!
ガガンボの生態や駆除方法についてまとめてみました。
成虫は血を吸うようなことはありませんが、見た目の気持ち悪さからはやはり「害虫」と言えるでしょう。
ガガンボと同様に光に集まる「ユスリカ」などもよく見かけますので、あわせて駆除・対策していきましょう。
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