えのきの保存(冷凍保存OK?)と栄養・効能!賞味期限や消費期限は?腐るとどうなる?洗うのはOK?
低カロリーで栄養価が高く、一年中安価で出回っているのが「えのき」です。
またクセのない味は鍋物や炒め物など何にでもマッチするため、非常に重宝する常備菜ではないでしょうか?
しかし、常備菜にするにはあまり「保存方法」などについて知られていないような印象があります。
今回はそんな「えのき」について、保存法や栄養価、賞味期限などをどこよりも分かりやすく説明していきます。
- えのきの保存方法と冷凍保存の可否!
- 賞味期限や消費期限、腐るとどうなるのか?
- 栄養価と期待される効能について!
- えのきは洗って使う方が良いの?!
えのきの保存方法は?冷凍保存はできるの?
スーパーで日常的に見かけるえのきは、人工的に栽培されたものです。
これらは「低温の状態」で育成するため、保存は基本的に「冷蔵庫」が適しています。
また水分に弱いため、保存するときは洗わないようにしましょう。
えのきの具体的な保存方法!
では具体的な保存方法についてです。
えのきは袋詰めの状態で販売されています。
しかしこのままでは保存には適していません。
長持ちさせるためにはポリ袋から取り出し、新聞紙や不織布に包んだうえでポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
冬場だと冷暗所であれば保存は可能ですが、暖房等で気温が上がると傷みが早くなるので、基本的に冷蔵庫で保存するのがオススメです。
なお、いしづき(根元の部分)には「えのきの育成に必要な栄養素」を含んでいるので、つけたままの方が保存するには適しています。
そこで一回では使い切れないと判断した時は、使うときに使う分だけを手で裂いて、残りはいしづきをつけたまま新聞紙で包んで保存すると良いでしょう。
保存の目安は
- 袋のままで保存する場合
⇒2〜3日
- 新聞紙等で包んだ状態での保存の場合
⇒1週間以内
です。
えのきの冷凍保存!
さらに長期保存するなら冷凍保存も可能です。
- 冷凍する場合は、まずは「石づき」を切り落とします。
- 生のえのきをバラバラにほぐし、フリーザーバックに入れて空気を抜かずに冷凍庫に入れます。
- 一時間ほどしたら一旦冷凍庫から出して、シャカシャカ振ったりもんだりして、再び冷蔵庫に入れます。
- この状態で完全に凍ったら空気を抜けば、1ヶ月ほどは冷凍庫で保存可能です。
なお、少し工夫すれば便利な「えのき風味の出汁(えのき氷)」も作れます。
「えのき風味の出し(えのき氷)」の作り方!
- 石づきを切り落としたえのきを茹でます。
- 茹で汁ごとミキサーにかけたものをタッパなどに入れて冷凍保存すれば、2ヶ月ほどの保存が可能です。
- 使うときは、そのまま使う分だけを切って味噌汁やスープに加えると、えのきの風味豊かな便利出汁として使えます。
えのき氷を頻繁に使う信州地方では、「炊き込みごはんを作るときの風味づけ」や「炒め物の隠し味」的な用途で使う場合もあります。
調理時間の短縮にもなりますのでぜひお試しください。
その他の保存方法!
キノコ類は水分が多いので、乾燥させると長期保存が可能になります。
えのきも石づきを切り落とした後にバラバラにほぐして、ザルなどに広げて2時間ほど天日干しにすれば、数ヶ月の保存が可能になります。
天日干しの際には、風通しの良いところを選んで干すようにしましょう。
2時間後に水分が残っているようであれば、
- 完全に水分がなくなるまでもう一度干す
- フライパンで乾煎りして完全に水分を飛ばす
などをおこなえば大丈夫です。
干したえのきはタッパーやジップロックなどの保存容器に入れて、常温もしくは冷凍庫で保存してください。
乾燥剤を使うとさらに長期保存が可能です。
では続いて「賞味期限・消費期限と、腐るとどうなるのか?」についても簡単に説明しておきます。
えのきの賞味期限・消費期限と、腐るとどうなるのか?
上で説明したとおり、えのきは買ったときの状態で保存してもせいぜい2〜3日しか持ちません。
したがって余分な量は買わずに、余らせた分も次の日には使い切るようにしましょう。
なお消費期限が短いので、賞味期限も同じぐらいと考えて良いでしょう。
では、「しっかりと保存しているえのき」についての消味期限はどうでしょう?
これについても上記の保存法方で「日持ちする日数」が、そのまま賞味期限になると考えてください。
えのきは「コリコリ」とした食感が魅力の食材ですが、冷凍や冷蔵保存していたとしても、食感は損なわれます。
したがって、買って来てすぐのような「えのきの風味や食感」を満喫するのは難しいと思われます。
食感さえ気にしないのであれば、上で紹介した「えのき氷」がオススメです。
えのき自体はほとんど癖のない食材ですし、長期保存することで「えのきがもつアミノ酸」によって旨みが増していくからです。
えのきが腐っているのかを判断するには?
えのきはそのままでは傷みがはやい野菜です。
腐ったときには、以下のような状態がみられます。
- 異臭がする
- 全体的にヌメヌメしている
- 酸っぱいにおいがする
- 茶色く変色している
- 潰すとすぐに壊れて水が出てくる
- 頭がすぐにとれてしまう
このような状態では「腐敗菌」が全体を覆っていることも十分に考えられますので、食べないようにしてください。
えのきで最も傷みやすいのは「カサ」の部分です。
これがポロポロと落ちているようなえのきは、すでに賞味期限は過ぎていると考えて良いでしょう。
また、「袋の内部に水滴が多いもの」や「少し茶色く変色しているもの」などは買わないようにしましょう。
逆に新鮮なえのきを選ぶときのコツとしては、
- 綺麗な白色で透明感がある
- カサの大きさが均一で丸みがあり、開いていない
- 袋の内側に水滴が付いていない
- 茎に弾力とハリがある
などの点に注目して購入すると良いでしょう。
冷凍しててもなるべく早く食べたほうが良さそうね。
あと、購入するときにはしっかり鮮度を確かめましょう。
では続いて「栄養価と期待される効能!」を説明します。
えのきの栄養価と、期待される効能!
普段スーパーや八百屋で見かける「一般的なえのき」の栄養価は次の通りです。
(100gあたりの含有量)
- カロリー:22kcal
- 多価不飽和脂肪酸:0.1g
- コレステロール:0
- ナトリウム:2mg
- カリウム:340mg
- 炭水化物:8g(うち水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維3.5g)
- タンパク質:2.7g
- ビタミンC:1mg
- 鉄:1.1mg
- マグネシウム:15mg
- ビタミンB1:0.1mg
- ビタミンB2:0.25mg
- ビタミンB6:0.1mg
- ビタミンD:0.9μg
- その他(グルタミン酸、βグルカン、ナイアシン、エルゴステリンなど)
弱々しい印象がありますが、このように豊富な栄養素が凝縮されていることがわかります。
では、それぞれの成分に期待される効果とは?
特徴的な部分について説明していきましょう。
カリウム
中でも特に「カリウム」の含有量の多さが目を引きます。
カリウムとは「ナトリウムを排泄させる働き」がある成分で、高血圧や動脈硬化症の予防効果があります。
ビタミンB1
ビタミンB1は「デンプンを糖質に分解する酵素」の働きを助ける成分です。
これによって代謝を上げ免疫力を強化する作用があります。
ビタミンB2やビタミンB6
ビタミンB2やB6には、「細胞を再生し活性化する作用」があるため、代謝の落ちる更年期以降の人にとってはアンチエイジング効果の高い食材としても注目を集めています。
特にビタミンB2は「肌や爪、髪の毛など皮膚の細胞の再生」を助け、新陳代謝を上げるので化粧品などにもよく使われる成分です。
ナイアシン
ナイアシンは、「湿疹や肌荒れの解消、二日酔い防止」に効き目がある物質で、肝臓の機能を向上させる効果が知られています。
エルゴステリン
聞きなれない名前ですが、エルゴステリンは体内でビタミンDへと変わり、カルシウムの吸収を助ける作用があります。
65歳以上の高齢者になると、女性の場合は骨粗鬆症になる可能性が高まります。
骨粗鬆症になると「いつの間にか骨折」などが原因で、将来的に介護が必要となる “ロコモティブシンドローム” へのリスクが高まるため、更年期より前からしっかりと摂取しておきたい成分です。
βグルカン
βグルカンは免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症から体を守ってくれます。
寒い時期に鍋物でえのきを食べるというのは、とても理にかなっているということになります。
さらに制がん作用も高いので、がんが気になる人は積極的に食卓に取り入れると良いでしょう。
食物繊維
キノコ類には食物繊維が豊富に含まれていることでも知られています。
食物繊維は腸壁を刺激して便秘解消にとても役立ちます。
人間の免疫力のおよそ6割は腸に依存しているとされています。
また近年では50代以降の男性を中心として「大腸がん」の患者数が増加傾向にあります。
腸内の健康状態を良くしておくためにも、「えのき」は適しているといえるでしょう。
このように、男性にも女性にも嬉しい効果がいっぱいです。
ただ多く食べることで「病気が治る」ということはありませんので、食べ過ぎには注意しましょう。
では最後は「えのきは使うときに洗う方が良いのか?!」という点を説明します。
えのきは使うときに洗う方が良いのか?!
「保存」のお話の中で少し触れていますが、改めて説明しておきましょう。
まず、スーパーで売られている一般的なえのきは、綺麗な工場で栽培されています。
「害虫・腐敗菌の心配のない環境」で育てられているので、洗わなくても問題ありません。
キノコのような菌類は水に弱く、洗うと風味や味が悪くなるので食べる前には洗わない方がいいでしょう。
もし汚れが付いているのを見つけたときは、水を含ませたキッチンペーパーなどで部分的に拭き取ることで、問題なく食べることができます。
さいごに!
いかがでしたでしょうか?
えのきは安いですしいつでも買える食材ではありますが、実は魅力ある食材ということがお分かりかと思います。
冬場の鍋にも「かさ増し」にも使えますし、ドンドン活用してみましょう。
なお、キノコ類については他にも色々紹介していますので、あわせてご確認ください。
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