コガネムシとカナブンの5つの違い!【種類・エサ・見た目・生態まとめ】

コガネムシとカナブンの5つの違い!【種類・エサ・見た目・生態など】

こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫と暮らしてきたアキラです。

 

コガネムシとカナブンは非常に似ていますが、「何が違うんだろう?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

 

このページをお読みいただければ、

 

  • 見た目の違い
  • エサ(食生活)の違い
  • 種類の違い
  • その他、生態の違い

 

がわかります。

 

分かりやすくまとめておりますで、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

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コガネムシとカナブンの5つの違い!

コガネムシもカナブンも同じ「甲虫目コガネムシ科」の昆虫。

 

この2つは近縁種であるため、とても良く似ています。

 

しかし習性がまったく異なるこの2種類の見分け方を、あなたはご存知でしょうか?

 

コガネムシは「庭木の害虫」にもなるため、ガーデナーなら特に知っておきたいところでしょう。

 

そんな2種類の違いを、5つの観点で詳しくご紹介します。

 

 

見た目の違い!

見た目が非常に似ているのですが、よく見ると違いが分かります。

 

 

コガネムシの特徴!

 

  • 頭部:丸い
  • 背中:やや丸みがある
  • 翅の付け根の逆三角形:小さい
  • 色:緑色が多く金属のような光沢がある
  • 脚:黒っぽく毛が生えている

 

 

 

カナブンの特徴!

 

  • 頭部:四角い
  • 背中:やや平べったい
  • 翅の付け根の逆三角形:大きくはっきりした二等辺三角形
  • 色:ベースが茶色、青・緑などで、黄土色や赤銅色と混ざって落ち着いた色合い
  • 脚:背中と同じような緑色

 

 

 

大きさに違いはあるか?

大きさの違いとしては、

 

  • コガネムシは2p前後
  • カナブンは2.5p前後

 

が平均的な大きさですので、さほど違いは見られません。

 

ただしどちらも種類によって幅があり、単体で見ると大きさの違いが分かりにくいですが、カナブンはやや大きめの体型をしています

 

これは、分類上はカナブンがもともと大型のハナムグリの一種だからです。

 

 

 

エサ(食べ物)の違い!

エサの違いから、コガネムシは「害虫」扱いされています。

 

 

コガネムシのエサ

コガネムシは「植物の葉」を食べるため、樹液の付近ではなく枝や葉にいることが多い昆虫です。

 

多くの種類を幅広く食害することから、植物を育てているガーデナーからは「害虫」という扱いをされています

 

葉を食べてその場でフンをするため、葉に残されている「黒い小さなフン」はコガネムシのもので間違いありません。

 

 

カナブンのエサ

カナブンの成虫はクヌギやコナラなどの「ドングリのなる木」に集まり、木から出る樹液をなめています。

 

「広葉樹の樹液」や「熟した果物」が好きで、ほぼ同じ食性の

 

  • カブトムシ
  • クワガタ

 

などと同じ場所にいることが多いのです。

 

モモやブドウなどの畑で良く見られます。

 

 

 

ライフサイクルの違い!

カナブンとコガネムシは分類上同じグループであるため、目立って大きな違いは見られません。

 

しかし幼虫や食性などに違いがあるため、それに伴った生活場所には違いが現れます。

 

 

コガネムシのライフサイクル!

幼虫

土の中で過ごします。
体色は白〜黄色っぽくなります。
歩かせると、体を伸ばして上手に歩くことが可能。

孵化

土の中で過ごし、もみ殻や土を混ぜて繭を作り、その中で蛹になり羽化します。

成虫

非常に活発に活動。
食欲旺盛で、昼も夜も飛び回っています。

好む場所

エサとなる植物の周りだけでなく、牧草地や芝生なども好んで移動しています。
「雑草の多い畑があればどんなに駆除しても減ることがない」と言われる程、雑草地を好みます。

交尾

産卵

初夏〜夏の時期に、有機物の多い土に産卵。
腐葉土を好み、葉の重なった場所を好んで産卵しますが、土の敷き詰められたプランターでも産卵します。
早いものは1年程度で孵化し、春を迎える時期に蛹化(ようか)します。

 

 

カナブンのライフサイクル!

幼虫

土の中で過ごします。
体色は白っぽい。
外に出して歩かせると、上手に歩けずひっくり返ったまま動いていきます。

孵化

土の中で土繭を作り、蛹を経て繭の中で羽化します。

成虫

普段は土の中で過ごし、地上で活動するのは「食餌」と「繁殖」の時のみ。

好む場所

土の中だけでなく、腐葉土の中や落ち葉の下にも生息。
また葛(くず)の葉も好んで潜り込みます。

交尾

産卵

夏の活動のピーク時に交尾を行い産卵をします。
環境によって孵化までに2年ほどかかる個体もあり。

 

 

 

飛翔能力の違い!

飛び方にも若干の違いがあります。

 

 

コガネムシの飛翔

 

コガネムシは前の羽を開き、後ろの羽をはばたかせて飛びます。

 

カナブンほどの飛翔能力はなく、飛び方も不安定なのが分かります。

 

これは体が重いためだと言われており、若い個体よりも年寄りの個体のほうがより左右にぶれて飛ぶ傾向があり。

 

飛ぶ姿は一瞬なので違いが分かりにくいですが、「飛ぶのが下手なのがコガネムシ」だと言われています。

 

 

カナブンの飛翔

 

カナブンは前の羽を閉じ、後ろの翅を羽ばたかせて飛びます。

 

飛行能力が高く、足場がなくても着地が可能。

 

左右にぶれるような飛び方はせず、フラフラする事は少ないようです。

 

 

 

「人間や環境」への影響!

上でも説明のとおり、コガネムシに関しては「害虫扱い」されるほど、人間や環境へ影響を及ぼしています。

 

 

コガネムシによる影響!

コガネムシは、土を掘り返すとたくさんの幼虫が出てきます。

 

一見すると「カブトムシの幼虫」にも似ている形ですが、幼虫は朽ち木ではなく元気な植物の根っこを食べつくしてしまうのです。

 

その株を枯らしてしまうほど食欲旺盛で、自然を豊かにするイメージとは程遠い習性なのが分かります。

 

成虫であっても幼虫であっても、大量発生するとその植物は一気に食べつくされてしまうことに。

 

このため人間からは嫌われているのです。

 

特に農業関係者や生花生産者、ハーブ生産者、ガーデナー、庭師などからは「害虫」扱いされています。

 

 

カナブンによる影響!

カナブンは「カブトムシ・クワガタ」にとても近いライフサイクルを持ち、住処もほとんど同じような場所で過ごしています。

 

卵を「朽ち木」の中に生み、孵化した幼虫がそれらを食べて分解しながら成虫へと成長します。

 

この「土の中の腐った木を分解し自然に返す」という習性があるため「森の分解者」とも呼ばれており、ミミズなどと同じように自然を循環させるシステムに役立っているのです。

 

カナブンは人間にも環境にも無害であり、とても有益な働きを行っている事が分かります。

 

 

 

コガネムシの代表的な3つの種類!

一般的には「コガネムシ科」の昆虫を指しますが、「コガネムシ」という種類名もあることから、しばしば混同されています。

 

また、

 

  • カナブン
  • ハナムグリ

 

など「光沢のある甲虫」を、まとめてコガネムシと呼ぶ場合もあるようです。

 

 

コガネムシ

 

昔から馴染みの種類で、光沢が美しく標本にするために収集する人も多い種類です。

 

一方で「庭や畑の植物」を枯らしてしまうとして、害虫とされる場合も多くあります。

 

本種は呼び方が広義の「コガネムシ」と混同してややこしいため、「ナミコガネ」という和名も付けられています。

 

 

生息地域

北海道・本州・四国・九州といった、広い地域で目にすることができます。

 

 

大きさ

1.5〜2.5p前後。環境によって平均よりも大きい個体も多く見られます。

 

 

全身が緑色の光沢のある色合いで、昔から「宝石の様な虫だ」と言われる、人気の昆虫です。

 

緑色が深い個体や、黄緑色に近い個体もあり。

 

また触覚の色が薄い個体もあり、個体によってたくさんの変異が見られます。

 

 

活動時期

主に暑くなる5〜8月頃がピークですが、9月下旬の秋口にも活発に飛び回っています。

 

温暖化の影響で活動時期は長くなっています。

 

 

 

 

アオドウガネ

 

色々な植物を好んで食べるため、害虫として扱われることが多い種類。

 

電灯にもよく飛来し、色々な場所で目にする昆虫です。

 

腹部に長い毛が生えているのが「アオドウガネ」の特徴です。

 

現在では在来種の「ドウガネブイブイ」を駆逐するほど数が増えており、その生息地域も年々広がっていると言われます。

 

 

生息地域

北海道・本州・四国・九州・沖縄、といった広範囲で目にすることができます。

 

 

大きさ

1.8〜2.5p前後。

 

 

上記のコガネムシよりも光沢がなく、ツヤがにぶい色合いをしています。

 

ベースが落ち着いた緑色で、頭部が茶褐色のものもあり、同じ地域であっても若干の個体差があります。

 

 

活動時期

5〜10月がピークです。

 

 

 

 

ドウガネブイブイ

 

「コガネムシ」「アオドウガネ」と同様に、一般的によく見られるコガネムシの一種。

 

ずんぐりとした丸い体型が特徴で分かりやすく、採集する人も多い昆虫です。

 

食欲旺盛で様々な植物を食べるため、こちらも害虫扱いされている昆虫の一つです。

 

 

生息地域

北海道・本州・四国・九州・沖縄。
さらに中国や朝鮮にも生息しているのが確認されており、かなり広い範囲で目にすることができます。

 

しかし近年では、温暖化に伴って生息地域を広げた「アオドウガネ」に住処を追われています。

 

 

大きさ

2〜2.5p前後。頭部が長めで大きめのコガネムシです。

 

 

全身の銅色が特徴です。

 

 

活動時期

6〜9月がピーク。温暖化の影響で活動時期は長くなっているようです。

 

 

 

カナブンの代表的な3つの種類!

続いてはカナブンの代表的な種類を紹介しましょう。

 

 

カナブン

 

昔からおなじみのよく目にする種類です。

 

光に集まる習性があるため、自転車やバイクの明かりにつられてぶつかり、道路に死んでいるものを良く見かけます。

 

昼間も活発に飛び回りますが、夜には電灯にたくさんのカナブンが群がっています。

 

 

生息地域

本州・四国・九州・南西諸島
日本の他朝鮮半島や中国大陸でも確認されています。

 

 

大きさ

2.2〜3p前後となります。

 

 

色は鮮やかではなく鈍い色で、緑胴色、茶褐色、赤褐色など濁りのある色が多いのが特徴。

 

色の幅は広く色彩変異が多く、環境で左右されることが多いとされています。

 

複数のカナブンが群がっているような場所では、どれも同じ色がないと言えるほど様々な体色が存在しています。

 

 

活動時期

6月〜8月がピーク。

 

 

 

 

アオカナブン

 

カナブンと同様に山地の木々の樹液に群がります。

 

近年ではその美しさから採集される事も、カナブンよりも数を減らしていると言われています。

 

 

生息地域

北海道・本州・四国・九州。

 

 

大きさ

2.2〜2.8p前後。
上記のカナブンよりもやや細身で、羽が長めなのが特徴です。

 

 

緑色がとても鮮やかで自然下では良く目立ちます。

 

光沢もあり、カナブンのような鈍い色合いはありません。

 

色彩変異も少なく、どの個体もキレイな緑色をしています。

 

 

活動時期

6月下旬〜8月がピーク。

 

 

 

 

コアオハナムグリ

 

一般的に言われる「ハナムグリ」も、カナブンと同じ仲間の昆虫です。

 

その中でも、コアオハナムグリは同じ「ハナムグリ亜科」であり大変近い種類。

 

しかし近縁種だといっても見た目は大きく違い、全身が茶色がかったうぶ毛に覆われています。

 

また食性も違い、カナブンは樹液をなめるのに対して、ハナムグリは花粉を食べる習性があります。

 

 

生息地域

北海道・本州・四国・九州といった広い範囲で見られ、山地でも平野でも目にすることができます。

 

 

大きさ

1〜15p前後。
ハナムグリ亜科の中でも小さめです。

 

 

落ち着いた緑色のベースに、白い点の模様が左右対象に散りばめられています。

 

ベースの色は緑色の他銅色の場合もあり、個体によって色彩変異が見られます。

 

点模様も白ではなく黄色味を帯びていることも。

 

 

活動時期

5〜10月頃がピーク。花粉を食べるため春の花の咲く時期に増え始めます。

 

 

 

カメムシとの違いは?!

「コガネムシ・カナブン」と雰囲気が似ている虫として、「カメムシ」も存在します。

 

 

カメムシにもかなりの種類が存在しますが、カメムシは「カメムシ目」であり、コガネムシ・カナブンは「甲虫目」ですので、グループとしては全く異なるものです。

 

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さいごに!

コガネムシとカナブンの違いについて説明しました。

 

それぞれ種類によって色もことなりますが、「木の蜜を食べるのか?葉を食べるのか?」によって、見極めやすいでしょう。

 

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