カナヘビの種類や寿命、トカゲ・ヤモリとの違い、冬眠や尻尾切り!
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫や爬虫類と暮らしてきたアキラです。
カナヘビは結構身近にいる「可愛い爬虫類」ですが、
どれくらい生きるの?種類って多いのかな?
冬眠するの?トカゲと何が違うの?
といった点は、あまり知られていません。
そのため、当ページではカナヘビの生態をどこよりも分かりやすく説明してみました!
- カナヘビの寿命ってどれくらい?
- カナヘビの種類ってどんなのがいるの?
- カナヘビと「トカゲ・ヤモリ・イモリ」の違いは?
- カナヘビは冬眠するの?
- カナヘビは尻尾がなぜ切れる?再生するの?
カナヘビの寿命はどれくらい?
カナヘビの寿命は7年前後と言われています。
「野生で生活する方が、伸び伸びしていて寿命が長い」と思われていますが、実際は飼育下のほうが「天敵がなく食べ物に困らない」ため長生きします。
上手に飼育しストレスに配慮すれば、なんと10年生きる個体もいると言われます。
飼育下では無理な冬眠や乾燥状態を避ければ、寿命を縮めるようなことはあまりありません。
長生きのために、
- 栄養の偏り
- カルシウム不足
- 紫外線不足
には特に気をつけ、愛情を持って育ててあげましょう。
カナヘビを上手く飼育する方法については、
『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』
で分かりやすく説明していますので、こちらも参考にしてみて下さいね♪
カナヘビの種類はどれくらい?
では続いて、「カナヘビの種類」について説明していきましょう!
カナヘビは分類上、
トカゲ亜目 トカゲ下目 カナヘビ科
に属しています。
そっくりである「トカゲ」とは、ほとんど同じグループなのです。
日本には6種類のカナヘビが生息していますが、中でももっとも広く分布しているのが「日本カナヘビ」です。
この日本カナヘビは「日本原産のカナヘビ」です。
北海道から本州、四国、九州、屋久島や中之島、種子島などでも生息が確認されています。
日本の「ほぼ全域に分布している、メジャーな種類の生き物」なのです。
他にも日本では、以下の5種類が生息しています。
日本では北海道にしか生息していませんが、アイルランドやスペイン北部、イタリア北部などにも生息しています。
トカゲ類の中においては、もっとも生息域が広いとされています。
その名のとおり、日本の「宮古島」にのみ生息しています。
2016年には「国内希少野生動植物種」に指定され、捕獲や譲渡が禁止されました。
韓国や中国北東部、朝鮮などにも生息していますが、日本では対馬にのみ生息しています。
全長は最大26cmほどにもなりますが、尻尾の長さはその2/3を占めています。
奄美諸島・沖縄諸島・小宝島・宝島という、南西諸島にのみ生息しています。
尾は「アムールカナヘビ」より長く、全長の3/4を占めています。
(全長は最大28cmほど)
サキシマカナヘビも日本固有のカナヘビで、
- 石垣島
- 西表島
などに生息しています。
全長は最大30cmにも種で、日本に生息しているカナヘビ科の中では「最大級の大きさ」に成長します。
ニホンカナヘビは「日本特有の種類」ですが、カナヘビ種自体は海外にもたくさん生息しています。
アフリカやヨーロッパ、アジアの地域に生息しており、現在では26族280種類が生息していると言われています。
続いては、海外のカナヘビを一部ご紹介しましょう。
海外に生息している人気のカナヘビ!
海外に生息しており、日本でも「ペットとして人気のカナヘビ」を2種類紹介しましょう。
「スペインのイビサ島」を経由して行き着ける「フォルメンテーラ島」に生息するのが、こちらの「フォルメンテーラカナヘビ」です。
フォルメンテーラ島は「美しい真っ青な海」に囲まれた島ですが、まるでその色を真似たかのような鮮やかなブルーをしており、マニアに人気の種類です。
【リンゴを食すフォルメンテーラカナヘビ】
ヨーロッパ西部である
- スペイン
- ポルトガル
- フランス
- イタリア
に生息しており、「美しい斑紋」がある人気の高い種類です。
サイズは最大80cmに達する「世界最大級」のカナヘビです。
【カマキリを捕食!】
ちなみに、黒色の「メラニスティックホウセキカナヘビ」も人気です!
【給水中のカナヘビ!】
オスメスの違いはすぐに分かる?
性別の判断方法については、別ページでまとめました。
>>カナヘビのオスメス(性別)を見分ける超カンタンな方法と、交尾への流れについて!
カナヘビと「トカゲ・ヤモリ・イモリ」の違い!
では、カナヘビと非常によく似た
- トカゲ
- ヤモリ
- イモリ
の違いを説明していきましょう!
1.トカゲとの違い!
トカゲとカナヘビは分類上は同じ「トカゲ亜目」になるので、特に似ている点が多いです。
なので、
- 見た目の違い
- 住む場所の違い
- 見分け方の違い
で見ていきましょう!
1.トカゲとの見た目の違い
トカゲは「トカゲ亜目スキンク科目」に分類される生き物です。
特に「ニホントカゲ」はカナヘビとよく似ています。
ペットショップで販売されているトカゲ類とはもちろん形が良く似ており、分類も近い種類ばかりです。
しかし良く似た形の「ニホントカゲ」ですが、見た目でその違いが分かります。
ニホントカゲは全身が薄い茶色で似ていますが、カナヘビに見られる「濃い色のライン」は入っていません。
また体表が金色がかっており、艶やかな質感があります。
体の特徴は以下のとおりです。
- ニホンカナヘビよりも一回り大きい
- 体長は15〜25センチ程度
- 体重は大きいもので15gもある
ニホントカゲの「最も分かりやすい特徴」は、メス個体の鮮やかなブルーの尻尾と、ボディに沿って入る金色の5本のラインです。
これはメスの若い個体の特徴であり、成長が完了するとメスもオスと同じように茶色一色になります。
この若い時期は分かりやすく、大きさも赤ちゃんでありながら「ニホンカナヘビ」よりも大きくなります。
また、ニホントカゲのオスは繁殖期を迎えると、ノドの部分がオレンジ色に変化します。
そしてトカゲの寿命は15年程度と大変長いのです。
10年以上は生きることができるので、飼育も長く行うことができ人気があります。
2.トカゲとの「住む場所」の違い
ニホンカナヘビとニホントカゲ、これらは
- 住む場所
- 活動場所
が違います。
ニホンカナヘビと同様に、ニホントカゲも
- 北海道
- 本州
- 四国
などに広く分布していますが、対馬には確認されていません。
生息域も少し違っているのです。
同じ場所であっても、カナヘビは枯れ葉の下や茂みに身を隠す特徴があります。
しかしニホントカゲは物の陰ではなく、穴を掘って中に入ります。
そして繁殖期も「穴の中」で卵を産みます。
山の中の静かな場所ではなく、家が多く人の気配がする林や野原、低めの山地に好んで生息するのがニホントカゲです。
カナヘビは生息場所に「縄張り意識」がなく、移動が自由な種類です。
これは産卵後にメスが孵化までの間、卵の世話をしないためだと言われています。
しかしニホントカゲは、産卵後に卵を守り続ける習性があるため、縄張り意識があります。
産卵後、孵化までの期間は1か月程度ありますが、その期間は卵に付き添って過ごしています。
3.トカゲとの「見分け方」!
先ほど「体の特徴の違い」を説明しましたが、ほかの見分けポイントも説明します!
まぶたの閉じ方にカナヘビとニホントカゲの違いがあることをご存じでしょうか。
もし捕獲できて観察ができるのであれば、確認することができます。
カナヘビが目を閉じる時は、下まぶたが上に上がって閉じます。
上まぶたが下りて目を閉じる人間とは正反対なのです。
しかしニホントカゲは、上まぶたも下まぶたも両方寄ってきて目の中心で閉じるのです。
じっくり観察できるのなら、この方法で一発で判明します。
柄の違いももちろんありますが、体表の「質感」も少し違っています。
カナヘビの体表は、ウロコが乾燥しているような印象があります。
カサカサしていて、ウロコのごつごつした感じが分かるのです。
それに比べて、トカゲはウロコがごつごつしておらず、細かい印象を受けます。
表面は艶があり、光沢を放っているのです。
ぱっと見た時に「つるつるピカピカ」していればニホントカゲと判断できます。
触った時にザラリとした感覚があれば、ニホンカナヘビの可能性が高いのです。
カナヘビは体長のほとんどが「尻尾」です。
体形は細くて長く、尻尾が占める割合は3分の2もあります。
腹部も細めで、尻尾が体の延長という印象を受けます。
一方の「ニホントカゲ」は、尻尾が体の半分程度の長さです。
足は大きく、背中側から見ると腹部も横に広がって膨らみが目立ち、腹部と尻尾が明確に分かれています。
カナヘビのように「背中の延長の尻尾」という印象は受けません。
背中側からぱっと見た時は、このような点で違いに気付くことができます。
では続いて、
イモリ・ヤモリとの違いについて説明しましょう!
2.ヤモリとカナヘビの違い!
ヤモリは「有鱗目トカゲ亜目」という爬虫類の分類です。
カナヘビと似た爬虫類ですが、透明なうろこが特徴です。
目もまん丸で大きく、明らかにカナヘビとは違う顔つきをしています。
顔も体型はカナヘビよりも丸みを帯びており、体長はそれほどありません。
ヤモリは家の「壁」や「塀」に張り付くようにして登ります。
これは指の先に毛が生えており、吸盤のようにくっつくことができるのです。
家の天井裏や隙間などに住んでいますが、カナヘビほど姿を見ることはないでしょう。
これはヤモリが夜行性であるためです。
ヤモリという名前は「家に寄る害虫を食べてくれる」ことから「家守り」という呼び名がつけられました。
家を守る縁起物と言われるほど、自然下よりも人の気配のする家を好みます。
3.イモリとカナヘビの違い!
イモリは「有尾目」という両生類の分類です。
ヤモリにもトカゲにもカナヘビにも似ていますが、両生類という明確な違いがあります。
良く知られている種類は、アカハライモリです。
イモリは両生類であるため、水の中で暮らすことができます。
飼育は容易で、自然下では井戸の中にいるため「井守り」から、イモリと名付けられました。
アカハライモリは「腹部が赤く派手な色合い」であるためこの名がついています。
穏やかな性格で、何匹一緒に入れてもケンカをすることがありません。
イモリのグループに多い派手な色合いは、毒があるための警告色なのです。
種類によっては黄色いものや鮮やかな青を持つものまで、多岐にわたっています。
ここまでが
カナヘビと「トカゲ・ヤモリ・イモリ」の違いでした。
では続いて、
カナヘビは冬眠するのか?についてです。
カナヘビは冬眠するの?
カナヘビは冬眠する生き物です。
冬眠中は食事することができませんので、自然下では冬眠前に栄養をたくさん摂って眠りにつきます。
冬眠中の体力があれば、安全に冬眠を行うことができるのです。
しかし飼育下では、いくら良いエサを与えていても、栄養バランスが偏っている可能性もあります。
その結果死んでしまう可能性もあるため、無理に冬眠させずに加温飼育をして冬を乗り切りましょう。
「カナヘビの飼育」の基本は加温飼育です。
くわしくは
『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』
で分かりやすく説明していますので、こちらも参考にしてみて下さいね♪
特にカナヘビの「赤ちゃん」は体力がなく危険です。
生まれて1年目の冬眠は危険性も高いため、飼育下では、飼育者が慣れていなければ冬眠させずに過ごさせましょう。
カナヘビはなぜ尻尾切りをするの?何回もできるの?
「トカゲの尻尾切り」という言葉がありますが、これはカナヘビの「尻尾の自切」を表しているのをご存知でしょうか。
この言葉、天敵に襲われた時に、「“切れた尻尾” に敵が気をとられているうちに、自分は逃げる」という、一部を犠牲にするような意味で使われます。
実際にカナヘビはこのような目的で自切を行います。
尻尾に刺激が伝わると、自動的に自切されるような構造となっているのです。
尻尾は1度だけ切れる!
尻尾切りは何度もできるわけではなく、一度きりの隠しワザなのです。
しかも再生するまでには8か月もの時間がかかってしまうのです。
回復までには栄養状態によって個体差もあります。
完全に回復すればまた元の長さに戻るので、見た目では分からなくなります。
しかし「尻尾の自切りは一度きり」と説明したとおり、2回目は出来ません。
自切できるのは「骨の構造が細かく分かれているから」ですが、2回目に生えてくるしっぽは同じ骨の構造ではなく、骨が分かれないため切れないのです。
尻尾が二股になるのは?
まれに尻尾が二股(2本)になっているカナヘビが存在します。
これは体の異常や生まれつきなどではなく、自切が失敗したために起こる現象です。
自切が完全でなく、くっついたままになっている時に、古い尾が離れないまま再生してしまうと2本になり、「二股」となります。
また自切ではなく「傷」ができた場合でも、同じように再生が促され、もう1本が生えてきてしまうのです。
カナヘビの「パワフルな再生エネルギー」がこの二股の尾を生み出すのです。
さいごに!
当ページではカナヘビの生態や、トカゲなどの違いについて説明しました!
説明のとおり、カナヘビは上手く育てれば10年は生きるので、ペットとして飼う方も多い生き物です。
ぜひチャレンジしてみて下さい♪
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