ウーパールーパーの寿命・大きさ・性別・卵と繁殖、赤ちゃん!【生態まとめ】
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫や両生類、爬虫類と暮らしてきたアキラです。
のほほんとした可愛い姿が人気の「ウーパールーパー」。
人気はあるものの、その「生態」を知っている方はほとんどいないでしょう。
ここでは、
- どんな生き物なのか?
- どれくらい生きるのか?
- 大きさはどれくらいになるのか?
など、「ウーパールーパーの生態」のあれこれをわかりやすく説明しています。
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ウーパールーパーってどんな動物?
正式名称は「メキシコサンショウウオ」ですが、流通名として「ウーパールーパー」と呼ばれています。
ウーパールーパーは幼形成熟(ネオテニー)のため、「大人(歳をとった個体)と子どもの見た目が変わらない」という珍しい生態があります。
一般的に「カエル」や「イモリ」などの両生類は、大人になると陸上化(変態)しますが、ウーパールーパーはまったく同じです。
※ただし条件によっては変態します(詳しくは後ほど説明)
なお、この「幼形成熟」した個体のことを「アホロートル」とも言います。
ネオテニーは「ごく限られた生き物にしかない生態」であり、すべての生き物の中でも数種類しか存在しません。
ちなみに、ウーパールーパーは体の再生能力が高く、手足やエラなどが欠けても元通りにすることができます。
再生にかかる期間は状況により異なりますが、大体1ヶ月〜3か月程度で戻ることが多いとされています。
ちなみにウーパールーパーは、「メキシコサラマンダー」というサンショウウオがルーツにあります。
しかし「突然変異によって生まれた白いメキシコサラマンダー」を人口繁殖・品種改良させて、大量に量産されたのが今のウーパールーパーなのです。
※サラマンダーとは、サンショウウオの和名
ウーパールーパーの寿命は?
ウーパールーパーは「両生類」のなかでも非常に長生きする生き物で、自然界では20年ほど生きます。
魚はもちろん、犬や猫でも20年生きるのはまれということを考えると、かなり長寿ですよね。
ただし、ウーパールーパーの寿命は「生活環境」次第で大きく変わります。
実は「ペットとして飼育されているウーパールーパー」の寿命は5〜8年程度と、自然界よりも2倍以上短いのです。
「飼育下のウーパールーパー」の寿命が短い主な理由としては、
- 狭い水槽で飼われていることによるストレス
- 水質の悪化や水位が低すぎること
- 人工飼料によるぷかぷか病発症
- 敷石などの誤飲・誤食
などが考えられます。
しかしウーパールーパーは飼育環境さえ徹底すれば、自然界と同じくらい長生きさせることも可能です。
その証拠に、飼育しているウーパールーパーの寿命を25年まで伸ばした記録も過去に残っています。
ただし「変態」させてしまうと、寿命が一気に縮まりますので、その点は注意が必要です。
※変態については、ページ最後で説明しています
ウーパールーパーの大きさはどれくらい?
ウーパールーパーの平均的な大きさは23pで、最大で30pほどになることもあります。
メスのほうがオスよりもやや小さく、ほとんどの場合20pほどで成長が止まります。
ちなみに、ウーパールーパーを大きくするには、
- 大きな水槽
- 栄養価の高いエサ
を用意する必要があります。
小さい水槽は排泄物などで水質が悪化しやすいため、ウーパールーパーがストレスを感じてしまいます。
ウーパールーパーが十分成長できるよう、水槽は大きめのサイズを選んでおくと安心です。
水槽などの飼育環境については、別ページでも説明しています。
>>ウーパールーパーの値段・種類、飼い方のコツ5つ!餌・水温・病気まとめ
ウーパールーパーの性別
ウーパールーパーの性別は、生まれた時から決まっています。
両生類の中には「性別を変えられる生き物」もいますが、ウーパールーパーの性別は子どもの頃から同じです。
ウーパールーパーの性別にはオスとメスがあり、どちらも人間と同じように生殖器があります。
ウーパールーパーの性別は、生殖器の膨らみがあるかどうかで見分けることができます。
- オス
⇒後ろ足の付け根が膨らんでいる。繁殖期である2〜3月は、どこから見ても分かるほどはっきりと膨らむ。
- メス
⇒後ろ足の付け根は膨らんでいない。便秘や妊娠時は腹部が膨らむため、オスに見えることもある。
繁殖期が終わる4月ごろになると、オスの「生殖器の膨らみ」は徐々にしぼみ目立たなくなります。
そのため季節によっては膨らみがほとんどなく、プロでも「オスメスの判別」が難しいこともあるのです。
ウーパールーパーの性別を知りたい場合は、「繁殖期間」である冬から春にかけて確認するとよいでしょう。
ウーパールーパーの繁殖について!
ウーパールーパーは季節繁殖(繁殖する時期が決まっている)をする生き物で、繁殖には水温が大きく関わっています。
ここではウーパールーパーの繁殖時期や条件について説明します。
繁殖時期は?
ウーパールーパーの繁殖時期は2〜3月頃で、メスは水温が上がり始める春頃になると産卵します。
そのため、ウーパールーパーの生殖器は秋頃からオスメスともに大きくなっていき、繁殖時期に備えます。
ちなみに、お互いを分離させてから対面させることで、ウーパールーパーの繁殖は促進することができます。
その理由は、同じ水槽内で暮らすウーパールーパー同士では、繁殖行動がなかなか起きづらいからです。
そのため、秋頃からあらかじめオスとメスを別の水槽に分けておくと、いざ繁殖する際の成功率は高くなります。
繁殖する条件は?
ウーパールーパーの繁殖は、
- お互い性成熟が済んでいること
- 冬の低水温を経験していること
- 水温が15℃以上になっていること
- オスとメスの大きさが違いすぎないこと
などの条件が揃うことで行われます。
そのため、ウーパールーパーの繁殖がうまくいかない場合は、一度水槽内の環境を見直す必要があります。
繁殖方法は?
生き物には珍しく、ウーパールーパーの繁殖はメスがオスを刺激することから始まるのです。
発情したメスはオスに対し、上に乗ったり下に潜ったりして刺激を与え、オスは精子の入った袋を出します。
精子の入った袋は「精包」と呼ばれており、排出時のオスはしっぽをピンと垂直に上げ、「生殖孔」を広げてこれを排出します。
【精包】
その後、メスは「オスが排出した精包」を生殖器から取り込み、卵子との受精を体内で行います。
また、この時のメスはお腹がとても膨らむのが特徴です。
「卵」を知ろう!
ウーパールーパーの卵は、同じ両生類である「カエルの卵」とよく似た見た目をしています。
ここではウーパールーパーの卵について説明していきます。
卵の構造!
卵の中心にはウーパールーパーのもととなる「核」があり、その周りは「卵膜」という透明な殻で覆われています。
ウーパールーパーの卵は2重構造で、卵膜は更にゼリーコートと呼ばれる「ゼリー状の粘膜」で包まれています。
ちなみにゼリーコートは卵を守るためにあるものですが、強度が弱く破れやすいのが欠点です。
膜が破れた卵から生まれたウーパールーパーは小さく、体が弱いなどの問題を抱えやすくなります。
卵の色について
ウーパールーパーの卵には様々な色があり、これらは「親の体色」によって決まります。
例えば両親の体色がともに「ゴールデン」の場合は、卵の色はうっすらと黄色がかった色になります。
また、両親がアルビノの場合は白色になり、リューシスティックとゴールデンでは緑っぽい黒色をしています。
ただし、卵の色とウーパールーパーの体色には関連性がなく、必ずしも卵の色=体色になるわけではありません。
なぜならウーパールーパーの体色には、親より前の形質が遺伝する「隔世遺伝」が起こるからです。
そのため、黒色の卵からアルビノが生まれたり、ゴールデンやマーブルが生まれたりすることもあります。
一度に産む卵の数
ウーパールーパーが一度に産む卵の数は200〜600個で、一般的な産卵回数は1年につき1〜3回ほどです。
また、ウーパールーパーの産卵数には個体差があり、「産卵経験のある若いメス」ほどたくさんの卵を産みます。
ですが産卵中に触ったり大きな音をたてたりすると、メスは驚いて途中で産卵を止めてしまうこともあります。
ちなみに、ウーパールーパーは生後半年ほどで繁殖ができるようになりますが、初産で産む卵の数は少なめです。
特に生後1年未満のメスが初めて産んだ卵には、「無精卵など不安定な状態のもの」が多く、ふ化率も低めです。
成長できなかった卵は次第に腐敗していき水質を悪くしてしまうため、放っておいてはいけません。
他の卵の成長に悪影響が出ないよう、「色の濁った卵」は早めにスポイトなどで吸って撤去する必要があります。
メスの産卵方法
受精卵が体の中にできると、ウーパールーパーのメスは産卵に適した場所を探すようになります。
ウーパールーパーが産卵する主な場所は、
- 水草
- 隠れ家となる「土管・たこつぼ」
などです。
また、水槽内に酸素を送り込む「エアレーションのチューブ」も、卵を産み付けられやすい場所といえるでしょう。
メスは産卵する場所に後ろ足でつかまり、ゼリー状の粘膜に包まれた卵を1つ1つ固定するように産んでいきます。
産卵は2〜3日かけて少しずつ行われ、産み終わったメスは水槽の底や隠れ家でじっとして体を休めます。
生まれたばかりの「赤ちゃん」と、大人(幼体)の5つの違い!
最初にも説明のとおり、ウーパールーパーは「幼体」のまま歳をとります。
ここでは、「変態(姿が変わる)をしていないウーパールーパー」と「生まれたばかりの赤ちゃん」との違いを説明していきます。
- 「見た目」の違い!
- 「餌の種類」の違い!
- 「餌の回数」の違い!
- 「水換えの頻度」の違い!
- 「水流の強さ」の違い!
ウーパールーパーなど、一部の「両生類」や「魚類」の赤ちゃんのことを、「稚魚(ちぎょ)」といいます。
ウーパールーパーの稚魚は体がとても小さく、足や立派なエラもまだ生えていません。
そのため見た目は「魚の稚魚」と非常によく似ているおり、おたまじゃくしに間違えられることもあります。
生後しばらくたって体が大きくなると、稚魚は「小(こども)ウーパールーパー」と呼ばれるようになります。
また、小ウーパールーパーの前足とエラは生後20日以内に生えてきますが、両後ろ足は50日頃までかかります。
「一般的にイメージする姿」と同じ見た目になるのは生後70日ほどがたった頃で、この頃には小ウーパールーパーの体長も7pほどに成長します。
生後半年がたつとウーパールーパーの性成熟は完了し、やっと大人(見た目は幼体のまま)として認められるようになるのです。
成体のウーパールーパーは「様々な種類のエサ」を食べることができます。
しかし稚魚はまだ口が小さいため、ブラインシュリンプなど「細かいエサ」しか食べることができません。
また、小ウーパールーパーは体が弱く、時には「原因不明の体調不良」で弱ってしまうこともあります。
更に、体力のない「稚魚」や「小ウーパールーパー」に人工飼料を与えると、ぷかぷか病にかかるリスクが高くなります。
人工飼料は手軽にバランスのよい食事ができて便利ですが、稚魚や小ウーパールーパーにはNGです。
体力をつけさせるためにも、小ウーパールーパーには「栄養価の高い冷凍アカムシ」を与えましょう。
ちなみにウーパールーパーの稚魚には、卵から孵化した後2日間はエサを与える必要がありません。
なぜならウーパールーパーの稚魚のお腹には、「ヨークサックという栄養袋」がくっついているからです。
稚魚へのエサは、孵化後3日目がたった頃に
- ブラインシュリンプ
- 冷凍ミジンコ
などを沸かして与えましょう。
「稚魚」や「7p以下の小ウーパールーパー」には毎日エサを与えましょう。
「一般的な姿のウーパールーパー」になると、それほどエネルギーを消費しないため、回数は2〜3日に1度で大丈夫です。
ただし、骨が外からでもくっきりと分かるようになったり、頭が大きく見える場合は痩せすぎの可能性があります。
その際はエサの回数や量を増やすなどして、健康的な状態を維持できるようにしましょう。
水替えの頻度は、「ウーパールーパーの大きさと水槽のサイズ」によって多少変わってきます。
例えば45p水槽で1匹のウーパールーパーを飼育している場合は
- 稚魚と小さめの小ウーパールーパー(7p以下)
⇒2週間に1回
- 大きめの小ウーパールーパー(8〜14p程度)
⇒1〜2週間に1回
- ふつうのウーパールーパー(15p以上)
⇒1週間に1回
を目安に、水槽の1/3〜半分の水替えを行うのが理想的です。
ウーパールーパーの体が大きいほど、水槽内の水は汚れやすくなり、水質も悪くなります。
同じ水槽内で複数飼育している場合は、更に水の劣化が進みやすいため、水が腐りやすい夏場は要注意。
少しでもきれいな水を保てるよう、フィルターは良いものを選びましょう。
ウーパールーパーの稚魚は体が軽いため、弱い水流でも簡単に流されてしまいます。
もともと「水流の弱いところ」に生息しているウーパールーパーにとって、流されるのは大きなストレスです。
フィルターの水流はウーパールーパーの様子を見つつ、慎重に調節するようにして下さい。
「変態」には気をつけよう!
ウーパールーパーは、飼育環境によっては「変態」します。
簡単にいうと、ウーパールーパーの変態とは「水中生活から陸上生活ができる体に変化する」ことです。
「大人の姿になった」とも言えるのですが、可愛げがなくなり、寿命が大きく縮むなど、特にメリットがありません。
変態については、ページが長くなるため別ページでまとめました。
>>ウーパールーパーの成体(陸化)の3つの条件と止める方法、変態後の飼育
さいごに!
ウーパールーパーの生態について説明しました!
上手く飼育すれば長生きしてくれるため、「家族の一員」として育てる人も多いです。
変態(成体化)させると可愛さがなくなり、寿命も短くなってしまいますが、上手く育てればとっても愛おしいペットとなりますよ。
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なお、両生類・爬虫類以外にも、ウーパールーパーのように「珍しいけど可愛いペット」はたくさんいます。
ぜひ以下の記事もあわせてご確認下さい!
>>珍しいペット15選!値段や寿命、飼いやすさ・懐きやすさ【まとめ】