カナヘビの「卵の育て方」7つのコツ&「赤ちゃんの餌・飼育」4つのコツ!
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫や爬虫類と暮らしてきたアキラです。
カナヘビが卵を産んだ!赤ちゃんカナヘビを貰った!
という場合に、どのようにそれらを育てたら良いのか分からない人が多いでしょう。
このページでは、カナヘビの卵や赤ちゃんが元気に育つための情報をどこよりも分かりやすくまとめてみました。
- カナヘビの卵の育て方
⇒孵化・上下の見分け・カビ対策
- カナヘビの赤ちゃんの育て方
⇒飼育環境・餌の与え方
- カナヘビの赤ちゃんはなつきやすい?
カナヘビの卵を孵化させよう!
もし「カナヘビの卵」を入手したら、または飼育しているカナヘビが産卵をしていたら、ぜひ卵を孵化させてみましょう。
卵からカナヘビを育てる機会は、大変貴重なものです。
そして「野生のカナヘビ」とは比べものにならないくらい、よく懐きます。
「手のりカナヘビ」も夢ではありませんので、ぜひ飼育にチャレンジしてみて下さい!!
最初に注意するべきは「上下」「へこみ」「カビ」の3点!
卵を扱う際には、まず3つのポイントを押さえておく必要があります!
飼育ケース内で卵を確認した時、または卵を入手した時、卵に不用意に触れる前に重要な作業があります。
それが「上下」の確認です。
確認時に置かれている卵の上下を逆さまにすると、中で育っているであろう子どものカナヘビが窒息を起こして死んでしまいます。
上下を間違わないように、赤いマーカーなどで上部に「目立つ印」を付けましょう。
鳥類とは違い、カナヘビは卵の上下を定期的に返す転卵を行いません。
それどころか、卵は産みっぱなしで世話を一切行わない動物なのです。
卵の上下が入れ替わってしまうケースとしては、
- 親カナヘビの活動によって蹴飛ばされたり転がされた場合
- エサ用のコオロギに卵を殻ごと食べられた場合
- 人間が不用意に触れた場合
などがあります。
これらを避けるため、卵の確認ができたら速やかに他の場所に移しましょう。
上下の他にも、卵に「へこみ」がある場合もあります。
これは産まれた直後の卵であれば、ある程度のへこみは問題ありません。
周囲の水分を吸って卵はどんどん膨らんでいくからです。
しかししばらく経ってもへこんだままの場合は、無精卵である可能性が高くなります。
生きていない卵にはうっすらと白いカビが生えます。
有精卵であっても死んでしまうとカビが生えますので、確認できた時点で取り出して処分してください。
有精卵やまだ生きている卵と一緒に置いておくと、カビが移って悪影響が懸念されます。
では続いて本題となる
「カナヘビの卵の育て方」についてです。
カナヘビの卵の「育て方」!
では本題である「カナヘビの卵の育て方」に移ります!
卵を飼育するケースは
- プラスチックの「フードコンテナ」
- カブトムシの幼虫を入れて販売されているような「プリンカップ」
を用います。
保温、保湿どちらの点からも良いように「フタつき」のものを選んで下さい。
しかし密閉すると酸欠になりますので、フタを少しだけずらしておくか、フタにキリで穴を開けておくようにしましょう。
なお水に強く、フタができて水分を逃さないような構造のパックであれば、それで代用可能です。
ただしプラスチックの昆虫ケースはフタに多くの穴が開いているのNG。お弁当箱のようなタッパーを選びましょう。
容器が確保できたら、中に「床材」を入れます。
床材は「園芸用の土」が適しています。
黒土と呼ばれる「園芸土を細かく振るったもの」が大変良く、適度に湿度を保ちつつ、卵に刺激を与えずに飼育ことができます。
黒土を入れたら、霧吹きで水分を与え土を適度に湿らせます。
黒土を入れたら、その上に卵を置きましょう。
移す際はスプーンを使用し、周囲の土ごと持ち上げます。
卵は非常に柔らかく、手で持ち上げるのは禁止です。
必ず「スプーン」を使いましょう。
もし複数個ある場合は、離して等間隔で置きます。
そして容器のフチや空いた場所に湿らせた「水苔」を入れて、保湿環境にします。
なお、水苔は卵に触れないように気を付けましょう。
これで卵の移動設置は完了です。
「カナヘビの卵の飼育」において、普段の世話としては
- 温度を保つ
- 湿度のチェックと加湿
の2つをチェックして観察するだけです。
温度を保つ!
気温で左右されますが、産卵後は約40日程度で孵化が始まります。
ただし卵を飼育する環境が極端に寒い場合は、孵化までの日数が長くなります。
逆に言えば、温かく保つことで卵が早く孵化する可能性があるのです。
適温は23℃から29℃程度と言われています。
幅があるように感じますが、これは「おとなのカナヘビ」の飼育環境と同じなのです。
平均25℃程度を保っておくようにして下さい。
なお、気温が高ければ乾燥しやすくなりますので、保湿には充分に気を付けましょう。
卵の環境にとって何より大事なのは「湿度」だからです。
湿度のチェックと加湿
上で説明したとおり、大切なのは「湿度」です。
もし加湿をする場合は、霧吹きでスプレーをします。
水分が直接卵に当たらないように、黒土やケースの壁面にスプレーしましょう。
水苔は取り出して水分を含ませてから入れ戻します。
このように環境を整えると、卵は水分を吸ってどんどん大きくなります。
そして気温にも左右されますが、産卵後約40日程度で孵化が始まります。
と言うことで、
カナヘビの卵を育てるときには、合計で以下の7つがポイントとなります。
- 卵の「上下」は窒息に繋がるので、マーカーでチェックをつけよう!
- 卵のへこみは、水分を吸って丸くなっていくことが多い!
- 卵に「カビ」があれば早めに処分しよう!
- 卵を入れるケースは「プリンケース」!
- 卵を置く床材は「黒土」!
- 卵を移動させるときは「スプーン」で!
- 卵には平均「25℃程度」、そして加湿を忘れずに!
以上でめでたく孵化が成功すると、次は「赤ちゃんカナヘビの飼育」に移ります!
続いては
「カナヘビの赤ちゃんの育て方(飼育環境・餌の与え方)」についてです!
カナヘビの赤ちゃんの育て方(飼育環境・餌の与え方)
では続いて「カナヘビの赤ちゃん」の育て方について
- 飼育環境
- 餌の与え方
をそれぞれ説明しましょう!
カナヘビの赤ちゃんを育てる環境!
カナヘビの赤ちゃんを育てる際には、以下の3つのポイントを押さえた「環境づくり」をしてあげましょう!
「カナヘビの卵」の話でも説明しましたが、「温度・湿度」管理は大切です。
カナヘビの赤ちゃんは、生まれたその日からおとなのカナヘビと同じ生活をしています。
飼育ケース内の温度もおとなと同じように25℃程度で良いのです。
しかし「不安定な気温」では体調に影響が出ますので、朝晩の気温差が出ないようにパネルヒーターを使用しましょう。
パネルヒーターについては、『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』で説明しておりますので、こちらも参考にしてみて下さい!
温度は暑過ぎると、代謝が上がり過ぎてすぐに疲労してしまいます。
反対に寒すぎると、消化器官が動かなくなり、栄養が吸収できなくなってしまいます。
これはどんな爬虫類でも共通の「変温動物の体の特徴」なのです。
夏でも冬でもなるべくなら「一日の間の気温差」を無くし、一定を保つようにしてあげましょう。
保温のためにケースに毛布をかける人もいますが、これはかえってやらない方が良い方法です。
ヒーターがあることで温度は上昇しますが、ある程度の熱の逃げ場も必要となります。
毛布は熱を発しませんので、保温道具ではありません。
毛布ではなくヒーターが温めていますので、必要ないものなのです。
そして何よりも「こどものカナヘビ」にとって重要なのはケース内の湿度です。
おとなと同じ様に、必ず一日2回程度のスプレーをして、湿度を保つようにしましょう。
特にこどものカナヘビは乾燥が苦手です。湿度管理は充分に気を付けてください。
子どものカナヘビは、基本的には生まれたその日から大人と同じ床材、飼育道具で生活することができます。
しかし体が小さい分狭いところに入ってしまうので、細かい木の枝や枯れ葉、レンガなどはなるべくゴチャゴチャ置かない方が観察しやすくなります。
さらに誤って挟まったまま出てこれないと、死んでしまう危険もあるのです。
また、餌用の昆虫を入れている場合は、狭いところに入り込むと捕獲できなくなってしまいます。
子どものうちはシンプルにして、「シェルター」以外は入り組んだ木片などは入れない方が良いでしょう。
枯れ葉も適度に入れて、完全に隠れてしまうことがないようにセッティングしましょう。
床材の土は子どもであっても入れた方が「湿度」を保ちやすいので、おとなと同じように入れましょう。
必ず朝晩スプレーをして、ケースの壁面を水分で濡らします。
水苔も保湿には良く、ケースの外で濡らしてから入れましょう。
環境づくりについては、『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』でくわしく説明していますので、あわせて参考にしてみて下さい!
親カナヘビとの同居は、見ていてとても可愛らしいものです。
親カナヘビは、元々「縄張り意識」がないため攻撃することはありません。
しかし同時に「子どもを守る本能」もないため、空腹時は子どもを食べてしまうことがあります。
もし同居を始めるのであれば、まず充分に餌のある環境を作りましょう。
常に空腹にさせないように、エサ用の昆虫を多めに入れておけば、親カナヘビがわざわざ子どものカナヘビを選んで食べてしまう事はありません。
決まった時間で餌を与えている場合は、お腹を空かせてしまっている可能性が0ではないので、念のため同居させないようにしておきましょう。
もう一つ気を付けることは、「“子ども用のエサ” をおとなのカナヘビが食べてしまわないか?」という事です。
※赤ちゃんへの餌やりについては、後ほど説明します!
エサの点で難しい場合も、別居させた方が良いでしょう。
1か月程度は別居させて「子ども専用」の小さなエサを与え、ある程度大きく育ってから親カナヘビと同居させるようにします。
カナヘビは赤ちゃんであっても、親カナヘビと同じ生活を行うことができます。
しかし小さいがために、本来必要な「水入れ」の中で溺れてしまうことが考えられます。
大人用ではなく、「子どもも溺れないサイズの水入れ」に一時的に変更しておかないと、同居した途端に子どもにとっては「住みにくい環境」となってしまいます。
必要な道具は親カナヘビと同じなので、おとな用の水入れに「砂利」を敷くなどして足場を作ってあげても良いでしょう。
では続いて
「赤ちゃんの餌(食べ物)と与え方」について説明しましょう!
赤ちゃんの食べ物と与え方!
「カナヘビの赤ちゃん」を飼っている方は是非参考にして下さい!
大人のカナヘビの餌としては、コオロギやデュビア(餌用のゴキブリ)がメインです。
しかし「赤ちゃん・成長中の幼体」では、口が小さく食べられる大きさには限界があるのです。
そのため自然界にいる
- アブラムシ
- クモ
- ダンゴムシ
- ワラジムシ
などの小さい昆虫を採集して与える必要があります。
ダンゴムシはストックしておけますので採集しておくと楽です。
またコオロギは小さいサイズのものが「エサ用」としてペットショップで販売されています。
Sサイズは2〜3ミリ前後ですのでこちらも利用しましょう。
与えるときのポイント!
エサである「コオロギ」や「クモ」のほうが逃げ足が速く、捕獲できないと困ります。
そのためなるべくカナヘビから餌が見やすいところで与え、追いかけることができる環境を作りましょう。
なお、カナヘビの幼体は成体(大人)以上に湿度を必要とします。
水分は水場で経口摂取するわけではなく、霧吹きなどで付着したしずくを舐めとっているので、湿度はとにかく必須となります。
季節にもよりますが、幼体のうちは霧吹きを一日に2、3度行いましょう。
と言うことで、「赤ちゃんの飼育環境・餌の与え方」には、以下の4つがポイントとなります。
- ケース内はおおよそ25℃くらいでOK!
- 落ち葉や木の枝を入れすぎない!
- 親カナヘビとは同居させて良いが、場合によっては別けた方が良い!
- 餌は小さい餌虫を買うか、小さな昆虫を採取して与えよう!
カナヘビの赤ちゃんはなつきやすい?
生まれたばかりの赤ちゃんは、成体(大人)のカナヘビよりもなつきやすいです。
正確に言うと、「なつく」と言うよりは「人間に慣れる」と言えます。
なつく方法についても、『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』でくわしく説明していますので、あわせて参考にしてみて下さい!
さいごに!
カナヘビの卵と赤ちゃんの育て方について、わかりやすくまとめてみました。
カナヘビはとっても愛らしいルックスをしていますが、卵や赤ちゃんから育てると、さらに深い愛情を注いであげられると思います。
一般的には7年前後、長ければ10年生きると言われていますので、ぜひ家族の一員のように可愛がってあげてください!
可愛いカナヘビがより長生きできるように、『 カナヘビの飼育方法3つのコツ!飼い方・餌・なつく方法【完全版】 』もあわせて参考にしてみて下さいね!
また、カナヘビを深く知る上で『 カナヘビの種類や寿命、トカゲ・ヤモリ・イモリとの違い、冬眠や尻尾切りの仕組みについて! 』も参考になると思います!
これから捕まえる!という方は、
が参考になりますよ♪