フナムシとゴキブリの5つの違い!食べると味がヤバすぎた【生態と、味の感想まとめ】
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫と暮らしてきたアキラです。
「海のゴキブリ」とも言われる「フナムシ」。
そんなフナムシに対しては、多くの人が
フナムシはゴキブリの仲間なの?
害はあるの?
食べる人がいるみたいだけど、どんな味なの?
と疑問に思っていることでしょう。
そこで今回は、これらについて分かりやすく説明していきましょう。
フナムシとゴキブリの5つの違いとは…?
見た目は「ダンゴムシ」に似ているが、動きは「ゴキブリ」に似て非常にキモイ。それが「フナムシ」です。
フナムシは、
- 足が非常に速く、手で捕まえることが困難であること
- 群れで行動すること
- 腐肉を食べること
- 人や物の気配、動く影などで一斉にザワザワと動きだし、一気に逃げていくこと
などから、「ゴキブリの仲間」のように思われています。
ですが実際は、色んな点でゴキブリとは違う生物であることが分かります。
ここからは、「ゴキブリと違う5つの点」を説明していきます。
フナムシはカビやエビと同じ「甲殻類」であり、
甲殻網 ワラジムシ目 フナムシ科
という分類となります。
甲殻類とひと口に言っても、エビやカニは遠縁で、
- ワラジムシ
- ダンゴムシ
- ダイオウグソクムシ
が近い仲間となります。
一方のゴキブリは、
昆虫網 ゴキブリ目
という分類です。
実は「カマキリ目」とは近縁種となり、この二つを合わせて「網翅類(もうしるい)」というグループを形成している程です。
「ゴキブリに近い」という意味では、本来はカマキリの方が嫌われるポジションにいるのです。
フナムシとは「見た目の似た部分」がありますが、フナムシは「昆虫」ではありません。
生物学的に見れば、初期の枝分かれから、すでにゴキブリとは離れているのです。
ゴキブリとフナムシは、どちらも走るスピードがとてつもなく速いです。
そのため分類上は違っていても、「似た生き物である」と誤解され続けています。
ゴキブリは緊急時に「脳」ではなく、「脚の付け根にある器官」が筋肉に直接指令を送るため、最高時速5kmもの速さで走ることができるのです。
フナムシも足はとても速いですが、「エサにされやすい体」を守るために、目にも止まらないスピードで走るような習性を持っています。
しかし「筋肉に直接指令を出すような器官」はありません。
「ゴキブリに似ている」と言われる理由の一つはこの「スピード」ですが、身体の作りも大きく異なっているのです。
ゴキブリもフナムシも、動物や生物の腐肉(腐った肉)を食べて生きている、という共通点があります。
ただし、どちらも陸上性ではありますが、ゴキブリの方が「生息範囲が広い」ため、食のレパートリーも多いです。
フナムシも同様ではありますが、海水がないと生きていけないのがフナムシの大きな特徴です。
どちらも「水分がなければ適応できない」という点は似ていますが、ゴキブリのほうが「人の食物」にも適応しており、幅が広いです。
ゴキブリは「成虫の成長段階」によって羽根ができますが、フナムシには羽根がありませんので、飛ぶことはできません。
そもそも甲殻類で「ダンゴムシに近い体型」となりますので、背中はゴキブリとは違って節がたくさんある作りなのです。
また似ているようで、足の数が全く違います。
ゴキブリは6本の脚であるのに対して、フナムシは14本もの脚を持っています。
フナムシが足が速いのは、足の数が多いためであると言えます。
フナムシをパッと見た時に目につくのは、丸い体と触覚です。
長い触覚は似ているポイントですが、よく見れば体型自体が違うことが分かります。
ゴキブリは、下水管や生ゴミの多い場所などの「不衛生な場所」で生息し、何でも食べてしまいます。
そのため、サルモネラ菌などの細菌類を常に数多く付着させています。
しかしフナムシは基本的には「海水のある場所」に生息しているため、細菌類が海水と合わず、フナムシの体表で細菌が生きていくことは難しいのです。
よって付着させている細菌類は、「ゴキブリよりも圧倒的に少ない」とされています。
もちろん、「ゴミ捨て場」や「船の底」などを歩き回ることから、細菌類が全くないということはありません。
陸上の細菌類は塩があると生きられないことから、「付着させている細菌類が限られる」というだけで、決してクリーンとは言えません。
とは言え、「衛生面だけを考えて退治する」という必要はない生き物とされています。
フナムシは食べられるの?食べた人の感想まとめ
フナムシは「一般的な食材」ではありませんが、食べることができます。
甲殻類と聞いて味や風味を期待する人は多く、実際に食べている人がたくさんいます。
実は私も、そんな「フナムシを食した人間」の一人です。
ここからは、
- 味や風味はどうだったか?
- 調理の過程はどのようだったのか?
などなど、私の事例だけでなく「ネット上にある声」も同時にご紹介します。
食べた人の感想@
フナムシ、圧倒的な磯臭さ。
内臓を除去しようとするが腹部は全て消化物で埋まっている。
脚もシャリシャリして食感が良くない。
多足の節足動物でもゲジは美味しかっただけに、大変残念な結果です。
ただ言えることは「フナムシは磯臭いゴキブリに似た味」であることです。
「海ゴキブリ」とのアダ名は、味も的確に予言していたのでしょう。
こちらは「デュビアと同時に調理して食べてみた方」の感想です。
「砂抜き」や「フン抜き」をする時間を取らなかったため、このような結果となったようです。
このお方、何がスゴイかと言うと「ゲジゲジやゴキブリも食している」という点でしょう。
私にはさすがに真似出来ません…
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食べた人の感想A
茹で・・・・
ジョリジョリジョリっとした歯応えで、口中が強烈な芳香のある苦味に支配される!
グヘェー・・・。
こ、この風味はッ!ホヤに近い香りをもっと汚らしく強烈にした感じ。
ホヤ好きな俺には悪くないが、口をゆすがないといつまでも苦味が取れないので困るほど。
ゲェエエエ・・・
揚げ・・・・
シャキシャキシャキっとした歯応えで、甲殻類のエビかカニを揚げたような味が口に入れた瞬間は前面に出るものの、その後は強烈ホヤ的苦味に支配される。”
焼き・・・・
ジャキジャキした歯応えで、甲羅の焦げた苦味と香ばしいかおりが先立ち、それによって先ほどの苦味がマイルドに感じられる。
あれ?
普通にうま・・・・・っ !?
引用:「ゲテ食大全」様より
この方は、
- 茹でたもの
- 揚げたもの
- 焼いたもの
を1匹ずつ味比べされたようです。
茹でただけでは磯臭く、揚げたものも最後は磯臭さが残っている。
しかし焼いたものだけは評価が高く、「甲殻類らしいうまみがある」ことが伝わりますね。
それですら苦みはあるので、決して「美味しい」とは言えないような内容です。
食べた人の感想B:私の感想
最後は、筆者が実際に食した時の感想についてです
私の場合は、ゲテモノ好きの友人のもとで頂いたので、しっかりと「下ごしらえ」もしてもらい、
- 茹で
- 揚げ
- 炒め
- 焼き
の4通りで頂きました。
下ごしらえの内容
酒に入れてニオイ取りと殺菌を行ったのち、お腹を切り裂き、内臓を「ズルズル〜」と引っ張り出していました。
「糞出し」をさせていると時間が掛かるとのこと。
料理ごとの味について
4通りの方法で食しましたので、それぞれ覚えている範囲で説明します。
これはマジでニガイです。
悪い意味で「ヤバすぎる味」に襲われます。
ほかの調理方法と比べると、ダイレクトに苦味を味わうことになるため、「ゲテモノ好き」以外にはこの食べ方はオススメしません。
「唐揚げ粉」のおかげか、食べた瞬間は「違和感のないサクサクとした食べ物」ですが、しばらく噛み続けると…
ウォエッ!!
「甲殻類の風味」は感じられますが、後からその風味を打ち消す苦味が襲ってきます。
友人は「悪くないね」と言っていましたが、かなり「悪い」です。信じられません。
「甲殻類の風味」はあまり感じないものの、何となく「甲殻類っぽさ」はありました。
「茹で」「揚げ」と比べれば、苦味もマシに感じました。
ただ決して、オススメできるものではありません。
これは普通に食べれました。
「感想Aの方」と同じ感想になりますが、「焦げ」がうまくフナムシの苦味を打ち消しており、優しい味に変わります。
フナムシを食べたいのであれば、この調理方がベスト。
「食べてみた方の声」まとめ
「ネット上にある声」を見る限り、やはり私が感じたとおり、他の方も似たような感想をお持ちでした。
「調理の仕方」ひとつで、同じフナムシでも様々な風味となるようです。
ページが長くなるので2人分の意見のみ載せましたが、ほかにも色々と見させて頂きました。
その意見をまとめると…
主に「塩ゆで1度のみ」という人が多いです。
味の感想は
- 磯臭い
- 苦い
- 腐敗臭
- くさやのような臭い
- ホヤのような臭い
- ジョリジョリとした食感
- 口に残るイヤな風味
という散々なもの。
ハッキリ言いますが、「茹でフナムシ」はオススメしません。ヤバすぎです…
口に入れた時は、「甲殻類特有」のエビ・カニのような香ばしさがあるが、噛んでみると磯臭さが広がり、苦みも出てくる。
この意見が多いが、まさにコレです。
単純に「火を通す」だけでは、フナムシの苦味は抑えられません。
「下ごしらえ」をするか否かで左右されるようです。
ワタを取っていれば苦みも少なく、外殻の香ばしさで食べることができます。
筆者のように「ゲテモノ好きの友人」が上手く調理してくれるのであれば、まあ悪くないと思います。
「食べることは出来る」というレベルです。
「焼きフナムシ」は評判が良いですね。
- 外殻の香ばしさが立ち、エビを焼いた時のような風味が出る。
- といってもエビやカニほど強い風味ではなく、口の中ですぐに消える。
- 歯ごたえがある。
- 苦みもあるが、香ばしさで打ち消せる程度になっている。
私も同感です、フナムシを食べるのであればこの方法をオススメします。
「下ごしらえ」は絶対にしよう!
フナムシという「食べることに向いていない生き物」を食べるに当たっては、事前の準備がかなり重要であるということが分かります。
私の知人も、「下準備無しで食べるのはバカだ」と言っておりました。
ゲテモノ好きは「可能な限り美味しく頂く」ようです。
フナムシの下ごしらえ
- 1週間程度の「フン抜き」
- ワタ抜き
- 酒につけての「消毒」と「におい消し」
- 揚げる際には、せめて「唐揚げ粉」を使用
こうした小さな下準備で「フナムシ独特の磯臭さ」を消し、「甲殻類の持つ香ばしさ」を感じることができるようになります。
また、色んな意見を見ている中で思ったのが、「ワタをしっかり取れているのかどうか?」で味がかなり変わりそうということです。
中には「ワタを抜いていたから言うほど苦くなかった」といった声もあります。
私は友人にすべて任せていたので、「しっかりワタが抜き取れていたのか?」、その辺りが分かりません。
もしこれから「フナムシを食べよう」と思われている方は、ワタ抜きは重要な作業なので、しっかりと抜くように心掛けましょう。
ゲテモノ好きには「食用ゴキブリ」もおすすめ
ゴキブリの味や食べ方もまとめています。
ゲテモノ好きの挑戦者、求む。
>>「ゴキブリを食べると死亡する」の真実!味と害、8つの食べ方まとめ!
フナムシの生態まとめ!
ここからは、フナムシの生態として
- どんな生き物なのか?
- 害はあるのか?
- 都会にも出るのか?
- 泳ぐことは出来るのか?
- 寿命はどれくらいか?
を分かりやすくまとめてみましたので、ぜひフナムシの事を勉強してみて下さい!
どんな生き物なの?
フナムシは、海の周りに住む「大型のワラジムシ」のようなもので、最大で5pにもなる「目立つ生き物」です。
世界には様々な種類のフナムシがいますが、「夜間だけ色が変わる」という特殊な能力を持つものもいます。
主に、岸壁にたくさん置かれた
- テトラポッド
- 岩場
- 海岸沿いのゴミのたまり場
などに隠れて住み着いています。
エビなどと同類の「甲殻類」の中でも、陸上に適応している数少ない生き物の一つです。
【気持ち悪いフナムシの大群】
ちなみにフナムシには、「海のスカベンジャー」という異名があります。
スカベンジャーの意味は、「ゴミ屑を拾い集めて生活するもの」。
海岸のどこにでも生息しており、その名のとおり
- 死んだ魚
- 貝の腐肉
- 海藻
などを食べているため、「磯の掃除屋さん」なのです。
フナムシは害虫?
フナムシは基本的に人間を襲うことはありません。
フナムシは人の動きに敏感で、少しでも気配を感じると逃げてしまう臆病な生き物なのです。
しかし海岸やフナムシの多い場所で寝ていれば、間違って咬まれることはあります。
ただしそれは、「動かないために人間であると気付かなかった場合だけ」であり、基本的に動くものには近寄らない習性です。
そのため、適度に動いていれば座っていても寄ってはきません。
咬まれたとしても「チクッ」と感じる程度で、重大な傷になる事はなく、また毒もないため問題にはならないでしょう。
また、フナムシはゴキブリのような「衛生害虫」には当たりません。
多少の細菌類を体に付着させていたとしても、問題になるほど人間の生活に入ってはきませんので、害虫とはならないのです。
都会にも出る?
フナムシは都会には出現しません。
なぜなら「海水がある場所」でないと死んでしまうためです。
日の当たる場所に放置されるだけで、フナムシは簡単に干からびてしまいます。
一滴でも口にできる水分があれば良い、ということではなく、「海水と同じ濃度の塩水」がなければ生活地域とはならないのです。
世界には「山の中で生息する様々な種類のフナムシ」も見つかってはいますが、一般的な種類のフナムシは、都会では生息が不可能となります。
ただし海岸沿いであれば、
- 水上コテージ
- 船着き場と直結の民家
などにはフナムシが入って来ることもあります。
しかしそれは、そこが彼らにとって「海岸沿いの延長」として入って来るだけであり、民家を好んでわざわざ入り込むわけではありません。
本来は、岩場や波消しブロックのような、「入り組んで見つかりにくい場所」を好んでいます。
フナムシは泳ぐの?
海の周辺に住んでいるフナムシですが、あくまで「陸上生物」であるため、海に落ちた場合は長時間泳ぐことはできないと言われています。
体を波打たせて海面を泳ぎ、流されながら陸まで移動しようとはしますが、その間に大きな魚や鳥に食べられたりすることもしばしばあります。
特に、
- クロダイ
- イシダイ
- アジ
などの「釣り人に人気の魚」は、フナムシが大好物です。
そのため、それらのエサにするためにフナムシを捕獲して針に付ける人も多くいます。
フナムシの寿命はどれくらい?
フナムシは長くても4か月程度が寿命とされています。
「色が変わること」や「足が速いこと」で鑑賞用のペットにして飼われている場合もありますが、それでも6か月前後が限界となるようです。
実際は甲殻類ですが、「大きめの虫」という印象を持っていると少々短命に感じるでしょう。
フナムシは海には入りませんが、塩水がないと生きるのが難しい生態です。
特に鑑賞用のペットとする場合は、飼育ケース内に塩水をスプレーしなければ生きていくことができません。
飼育が簡単ではないため、ペットとなっても寿命はそれほど延びないようです。
ゴキブリの生態まとめ!
ゴキブリの生態については、ページが長くなるため以下で紹介しております。
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>>ゴキブリの生態が丸わかり!種類・寿命・冬の生活・共食い!噛むの?菌は?
さいごに!
「フナムシとゴキブリの違い」、そして「フナムシはどんな味なのか?」について紹介しました。
フナムシは決して悪い生き物ではありませんし、ゴキブリのような「かなり不衛生な生き物」でもありません。
機会があれば、ぜひしっかりとワタ抜きをしたうえで、食べてみてください!
なお、ここでは紹介しきれなかった「ゴキブリの生態」「食用ゴキブリ」についても、ぜひ勉強してみて下さい!
ちなみにダンゴムシも、フナムシと同じ「ワラジムシ目」ですよ!
>>ダンゴムシの餌・飼い方!生態(卵・寿命・種類・脱皮)、害や駆除方法!