カタツムリがグングン育つ飼い方!【餌・寿命・種類・卵なども解説】
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫と暮らしてきたアキラです。
カタツムリの飼育は、一般的なペットの中でも比較的簡単で、小さな子供でも飼育することができます!
飼うために必要な用品も少なく、また飼育ケースに飾りを入れて楽しむなど、アレンジもしやすいのが面白い点ですね。
今回はそんなカタツムリについて、飼育方法や生態をどこよりも分かりやすく説明します。
- カタツムリの飼育に必要な5つの用具!
- 絶対に行おう!日々のお世話は3つだけ!
- カタツムリの餌は2種類用意しよう!
- 世話をする際の注意点4つ!
- カタツムリの種類を知ろう!
- カタツムリの寿命はどれくらい?
- カタツムリの産卵と、孵化、赤ちゃんの育て方!
関連:「カタツムリと寄生虫」について
>>カタツムリの寄生虫「ロイコクロリディウム」は人間にも寄生!【危険な虫】
カタツムリの「飼い方」を知ろう!<必要な5つの用具>
カタツムリにぐんぐん育ってもらうためには、「飼育に必要な5つの用具」である
- ケース
- 床材
- 木の枝
- エサ皿
- パネルヒーター
を用意してあげましょう!
なお、餌(エサ)については後ほど説明します!
カタツムリはツルツルした面でも平気で登ってしまうため、逃げ出さないようにフタが必要です。
もしプラスチックの昆虫ケースであれば上部に網状になったフタがあるので飼育できますが、ガラスケースや水槽の場合は、
- 網状のフタを自作する
- ガーゼで全面を覆う(ゴムで止めておく)
ことでフタをしましょう。
たとえケースの縁に「返し」があっても登ってしまうので、必ずフタをしてください。
中でも
- テラリウム用ケース
- 両生類飼育ケース
などは最適で、湿度を適度に逃がせるようなフタが付いています。
ただ、脱走対策ができるケースであれば、ガラスケースでもプラスチックケースでも飼育は可能です。
さらに条件さえ満たせば、大きめのビンでも飼うことができますよ。
色々紹介しましたが、安い虫かごでも十分飼えますので、とりあえずは以下のような物を購入していれば問題ありません。
床材には、
- 川砂
- 腐葉土
- 水苔
などの保水性の良いものを選びましょう。
川砂や腐葉土は「園芸用」のほか、
- 熱帯魚用
- 爬虫類・昆虫用
などが販売されています。
そして水苔は園芸用で構いません。
なお、腐葉土を全体にたくさん敷くと、カビが生えやすくなります。
決して、「全体に敷くこと」が悪いわけではありません。
しかし理想としては、
- 小さな植木鉢に腐葉土を入れてケース内に置く
- 全体の床には川砂を敷いておく
というように、分けて設置しておくと、中の手入れがしやすくなります。
植木鉢に入れた腐葉土は、カタツムリの産卵床にもなり、保湿にも役立ちます。
またカタツムリが登って活動する様子も見ることができます。
そして「水苔」は一度外に出して適度に濡らし、また中に置くようにしましょう。
濡らし過ぎて水が滴るようでは、水分が多すぎますので「しっとりする程度」で良いでしょう。
「木の枝」を入れておくと、カタツムリの上り下りする活発な様子が観察できます。
木の枝は
- 昆虫用のもの
- 熱帯魚用の流木
も活用できます。
もし自然に落ちているものを拾ってくる場合は、そこに「虫や汚れ、カビが付いていないか」を充分に注意し、キレイにしてから中に入れてください。
木の枝のほかにも「飾りもの」を入れておくと、カタツムリが登って活発に動き回る様子を見ることができます。
ちなみに、爬虫類用の「シェルター」や「素焼きの土管」などは、生き物が登ったり表面が濡れることを前提に作られていますので、カタツムリにも向いています。
このように木の枝に限らず、アスレチックのように配置してみると、楽しく観察できます。
カタツムリのエサは、本来ならば地面に置くだけで良いのですが、世話のしやすさを考えて、お皿の上に置きましょう。
特別なものを用意する必要はなく、あくまでも世話のしやすさを考えて使えば良いのです。
たとえば、安価で売られている「陶器の小皿」や「ガラスの小皿」で十分利用できます。
倒れないような平皿を選ぶと良いでしょう。
カタツムリの飼育では保温は必ずしも必要なことではありません。
しかし気温が15度程度になると、カタツムリの動きが鈍くなり、エサ食いも悪くなります。
あまり動かなくなりジッとしてばかりになってしまうため、ずっと観察をし続けたい場合は「加温」をしておきましょう。
決まった加温器具があるわけではありませんが、「安定して15℃以上の気温に保たれた部屋」に置くことが一番簡単な対策となります。
もしケースを置いている部屋に「気温の変化」があるのなら、パネルヒーターを使用しましょう。
パネルヒーターは「爬虫類用のもの」が薄くて最も向いています。
犬猫用でも構いませんが、暑くなり過ぎないように注意しましょう。
使い方は、パネルヒーターの上にケースを乗せて、ケース全体を温めるようにします。
上部のフタが網状であれば適度に熱が逃げるので快適です。
この時、くれぐれも密閉しないように注意してください。
ということで、色々と説明しましたが、カタツムリの飼育に最低限必要なものは、
- ケース
- 床材
- 木の枝
- エサ皿
なので、パネルヒーターは飼育する人の「環境」や「希望」によって使用を検討しましょう!
続いては
「絶対に行おう!日々のお世話」について説明しましょう!
絶対に行おう!日々のお世話!
カタツムリは上で紹介したような環境で飼えますが、日々のお世話として
- 保湿のためのスプレー
- フンをとり除く
- 餌やり
を行いましょう。
カタツムリは「湿度の高い環境」を好みますので、保湿は大事な世話の一つです。
1日2回、朝と晩に保湿のためのスプレーをしましょう。
スプレーに使う水は「カルキ抜きをしたもの」のほうが望ましいです。
「熱帯魚用のカルキ抜き剤」を購入し、数滴垂らしたものを使用します。
スプレーをする時はカタツムリに直接当たらないように注意して、壁面や床材を濡らすようにスプレーを吹きかけましょう。
なお、もし水が下に溜まっていたら、やり過ぎです。
やり過ぎもまた「体調悪化」につながりますので注意しましょう。
また、中に入れている「保湿用の水苔」は、スプレーではなくケースの外に出して濡らしましょう。
こちらも水が滴ると多すぎますので、湿る程度に濡らしてまた中へ入れます。
カタツムリは「湿度70%程度」が良いとされていますので、なるべくこの程度の湿度を保てるように、毎日欠かさず行ってください。
カタツムリの「フン取り」を毎日行いましょう。
カタツムリのフンは「水分が多く腐りやすい」ので、すぐに取り除かないと環境悪化につながってしまいます。
またカタツムリは、
- ニンジンを食べるとオレンジ色のフン
- ホウレンソウを食べると緑色のフン
をします。
食べたものと同じ色のフンをしていると「健康状態が良好」だと分かりますので、ぜひ色の観察もしてみましょう。
カタツムリは草食ですので、毎日野菜を与えます。
餌の種類については、この後説明します。
カタツムリの「餌」は2種類を用意しよう!
カタツムリの餌は
- 通常の餌
- カルシウム補強のための餌
の2種類を用意してあげましょう!
日本に住んでいるカタツムリはその多くが草食性です。
そのため、「庭や近所で採集したカタツムリ」には、野菜や野草をエサとして与えましょう。
一方で、ペットショップで販売されている「海外のカタツムリ」は、その食性を詳しく聞いて、その個体に合ったエサを与えてください。
※カタツムリの種類は後ほど説明します!
さて、日本のカタツムリには、主に
- ニンジン
- キャベツ
- ホウレンソウ
を与えます。
これらの野菜は特別に買ったりせず、料理で余ったものや芯の部分、捨てるような野菜くずでも構いません。
このような野菜のほか、「サツマイモ」や「カボチャ」なども好んで食べます。
野菜だけでなく、自然下に生えている野草でもエサになりますが、カタツムリにとって毒となるものを見分けるのが難しいため、野草はメインと考えなくても良いでしょう。
なお、カタツムリは「自分の毒」となるような植物は食べません。
もし与えてみて食べなければ、「身体に合わない野草」だと判断します。
たとえばカタツムリはアジサイの葉に乗っているイメージがありますが、アジサイの葉も毒があるため、カタツムリは食べないのです。
「間違って毒を食べて死ぬ」ことは少ないですが、野草を摘んでくる手間を考えれば野菜で十分でしょう。
なお、残ったエサはすぐに取り出し、腐らせないようにしましょう。
ちなみに、静かに耳を澄ませていると、カタツムリの「独特な歯で野菜を食べている音」が聞こえます。
殻を形成するために、カタツムリには「カルシウムの摂取」が必要です。
雨あがりにはたくさんのカタツムリがコンクリートに集まっているのが見られますが、あれは石やコンクリートから染み出る「炭酸カルシウム」を舐めています。
一般的に飼育用のカルシウム剤は、小鳥用の「ボレー粉」を使います。
他にも「卵の殻」を入れておくことで、カタツムリが必要な分を舐めカルシウムを補給します。
もし卵の殻を入れるのであれば、きれいに洗って腐ったりカビたりしないように気を付けましょう。
また、粉々にしなくてもカタツムリの特有の歯で表面を削り取りますので、手間がいりません。
以上が「カタツムリの餌」についてです。
では続いて
「これだけは守ろう!世話をする際の4つの注意点」について説明しましょう!
これだけは守ろう!世話をする際の4つの注意点
カタツムリを飼育する際は、以下の4つの点に注意しましょう!
カタツムリの持っている「寄生虫」や「感染症」を人の環境に持ち込まないよう、カタツムリの世話をした後や触った後は、必ず石鹸で手を洗ってください。
また、キッチンにはケースや飼育用品を持ち込まないようにしましょう。
用品をキッチンで洗わないようにし、水苔を濡らすのもキッチンは避けてください。
どんな動物もそうですが、触った後の衛生面には特に気を付けましょう。
逆にそういった衛生面を怖がるばかりでなく、きちんと把握して気を付けさえすれば、安全に飼育することができます。
カタツムリは明るいところにケースを置くと、日陰に隠れて動かなくなってしまいます。
どの時間帯でも、「直射日光が当たらない場所」にケースを置きましょう。
このような性質であるため、照明器具は必要ありません。
私たちと同じ程度の明るさで良いのです。
「晴れた日はベランダに出す」ということも必要ありませんので、「陽に当てた方が喜ぶだろう」という考え方はカタツムリには不要です。
カタツムリは「高湿度の環境」を好みますので、ケースの中にカビが生えやすくなります。
そのため、飼育ケースは「風通しの良い場所」に置きましょう。
日向(ひなた)は向いていませんが、玄関などの「寒い所」でも活動が弱まります。
私たちが居る部屋の、窓から遠いところが適した場所です。
カタツムリの殻は、中に内臓があり体の一部となっています。
つまり「殻と体をはがして分ける」ということができないのです。
だからこそ、乱暴に扱って「殻に衝撃を与えるようなこと」は避けなくてはなりません。
殻は必要だから作られるのであり、「替え」はありませんので特に丁寧に扱いましょう。
なお、殻も成長しますので、カルシウムなどの栄養を補って、健康に成長するように環境を整えて飼育しましょう。
では続いて
「カタツムリに種類はあるの?」という点を説明しましょう。
カタツムリに種類はあるの?
ではここからは、カタツムリ
- カタツムリの分類
- 日本でみられる種類
を説明しましょう。
カタツムリには
- 「マイマイ」
- 「蝸牛」
- 「でんでんむし」
といった複数の呼び名があります。
そしてこの名前はどれも、「一種類の生物」を指す言葉ではありません。
カタツムリとは、陸貝と呼ばれる
- ナメクジ類
- カタツムリ類
を総称する呼び方です。
日本において一般的に言う「カタツムリ」と言われているのは
- オナジマイマイ科
- ニッポンマイマイ科
という種類のカタツムリです。
世界には “エスカルゴ” のような「食用のカタツムリ」 や、「毛の生えたカタツムリ」も生息しており、たくさんのカタツムリが生息しています。
ちなみに、カタツムリを「大きなグループ」でみたときに
- 両生類なの?
- 爬虫類なの?
- 昆虫なの?
と疑問に思うかと思いますが、ナメクジやカタツムリは「軟体動物門」というジャンルに分類されています。
当サイトでは「昆虫」のカテゴリで紹介していますが、厳密には昆虫ではありませんし、両生類でもありません。
では具体的に、日本でよく見られるカタツムリを紹介しましょう。
ミスジマイマイ
関東地方や中部地方で多く見られるカタツムリです。
この殻には、巻いた方向に合わせて「筋のような黒いライン」が入っているのが特徴です。
ミスジマイマイは地面にも樹上にも住み、人よりも背の高い場所にも見られます。
そのため、あまり環境を選ばず
- 山
- 林
- 人家のそば
といった、どこでもよく目にすることができます。
ちなみに「ミスジマイマイ」は小学校の理科の教科書などにも登場しますので、私たちが子供の頃から親しんだカタツムリと言えるでしょう。
ヒカリギセル
ヒカリギセルは「2p」という小さな殻を持つカタツムリです。
マイマイのような平たい殻ではなく、塔のような「縦に長い殻」を持っています。
特徴的な「キセルガイ」の中でも、殻に光沢があり美しいのがヒカリギセルです。
白く透明感のある殻にはフタがあり、「警戒して体を引っ込めると同時に、フタがしまる」ようになっているのが特徴です。
ヒカリギセルは東北から関東、静岡一体に生息している種類です。
また、「食用カタツムリ」は世界中で見られる食文化ですが、福島県では「肝臓の薬」として、このヒカリギセルが養殖され服用されています。
ウスカワマイマイ
ウスカワマイマイは名前のとおり「殻が薄い」のが特徴のカタツムリです。
ミスジマイマイのような平たい形の殻ではなく、またキセルガイのように高さのある殻でもなく、その中間のようなずんぐりとした丸みのある形状をしています。
ウスカワマイマイは、北海道から九州まで様々な環境に適応しており、他のカタツムリと比べて「幅広い土地」に生息しています。
なお、このカタツムリに限っては、「明るく開けた環境」を好んで暮らしているため、他のカタツムリのように「暗くてジメジメしたところ」には見られません。
このような性質であるため、食性も人間や家畜に近く、作物を食い荒らすカタツムリとして知られています。
これは余談ですが、カタツムリには「亜種」が多いです。
亜種とは簡単に言うと、「ベースとなる種類の下に、さまざまな種類がいる」ということです。
たとえば、生息域の広い「ウスカワマイマイ」は、
- 北海道から本州は「ウスカワマイマイ」
- 沖縄本島や石垣島では「オキナワウスカワマイマイ」
- 大隅諸島、トカラ列島では「オオスミウスカワマイマイ」
- 壱岐島では「イキウスカワマイマイ」
といったように、「独自の交雑種」を見ることができます。
ではなぜこういった種類が多いのか?
カタツムリは飛んだり泳いだりすることができず、基本的には「生息域を出ていくことができない」ため、その一生を同じ地域で過ごすことになります。
しかし争いをせず、他の種類のカタツムリとも交尾をすることがあるため、隣り合った生息域のカタツムリ同士の交雑種が多くみられるのです。
では続いて
「カタツムリの寿命はどれくらいか?」について説明します。
カタツムリの寿命はどれくらい?
カタツムリの小型の種類は、ほとんどのもので寿命が一年未満のものが多くみられます。
たとえば「ウスカワマイマイ」などの “殻が小さく薄い種類” は、1年程度しか生きないようです。
それに対して、「キセルガイ」のように “殻が大きく分厚い種類” のものは長寿命で、15年生きた記録もあります。
このように小型のものは短命、大型のものは長寿命とされていますが、実のところカタツムリの寿命はほとんどが不明とされています。
なおカタツムリの寿命は、環境に左右されやすいと言えます。
たとえば突然の
- 地震
- 津波
- ドカ雪
- 長雨
などがその影響です。
それに比べ、「四季や変動がほとんどない飼育下」では、寿命を最大に伸ばしてあげることも難しくはありません。
環境を適切に調整して、カタツムリの天寿をまっとうさせてあげましょう。
カタツムリの卵と赤ちゃん!
では最後に「カタツムリの卵と赤ちゃん」について説明しましょう。
いきなりですが、カタツムリには性別がないということをご存知でしょうか?
そう、「オスメス同体」と言って、雄と雌の生殖器官を2つとも持っているのです。
基本的には2匹が交尾を行って産卵するのですが、まれなケースとして1匹で産卵する場合もあります。
これを「自家受精」と言います。
カタツムリの産卵時期や卵の育て方!
カタツムリが産卵する時期としては、5〜8月の夏場に多く見られます。
「必要な用品」でも紹介しましたが、飼育している場合は「腐葉土」に卵を産みます。
生んだあとの注意点としては、親が踏んでしまう可能性などが考えられるため、別の場所へ移動するのが良いです。
タッパーに移そう!
その後は、「湿らせたキッチンペーパーやスポンジ」を敷いたタッパーを用意し、その上に卵をおきます。
卵を移動する際は、小さなスプーンで慎重に運んであげましょう。
タッパーはラップで覆いますが、穴はあけなくてOKです。
1ヶ月ほどで孵化しますが、その間は乾燥させないように定期的にスプレーで湿らせてあげましょう。
スプレーの際は上の「絶対に行おう!日々のお世話!」で説明したとおり、カルキ抜きの水を使いましょう。
孵化したあと!
赤ちゃんが孵化すれば、ラップに穴を開けてあげましょう。
あとはレタスやキャベツなどを与えましょう。
なお、赤ちゃんもやはり乾燥が大敵です。
日々のお世話をしっかりと行ってあげましょう。
さいごに!
カタツムリについて、分かりやすくまとめてみました!
カタツムリを飼育するにあたっては、上で挙げた
- ケース
- 床材
- 木の枝
- エサ皿
を用意してあげれば、グングンッと育ってくれると思いますよ!
小さなカタツムリであっても同じ「命」、一生懸命に育ててあげましょう。
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