ハクビシンの「鳴き声・ふん・足跡・食べ方」から分かる!【駆除・対策まとめ】
可愛い顔でありながら、人間を困らせる動物でもある「ハクビシン」。
家への侵入だけでなく、農作物も荒らすことから「害獣」とされています。
今回はそんなハクビシンについて
- どんな鳴き声?どんな足跡?どんなフン?
- 駆除・対策はどうすればいいのか?
を分かりやすくまとめてみました。
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ハクビシンの駆除は「トラブルがあれば」できる!
ハクビシンは屋根裏などの「暗い場所」を好む動物で、日本では「農作物を荒らす害獣」として扱われています。
しかし、実はハクビシンは「鳥獣保護法」によって、無許可で捕獲・駆除することが禁止されています。
そのため、
- 道路でみかけた
- 電線の上を歩いていた
など、何も実害がない場合は、駆除することはできません。
どんな時に「害」と言えるの?
では、どんな状況であれば「害がある」と言えるのか?
- 家屋内への侵入
- 農作物への被害
- 糞尿による汚染
上記のような害がある場合には、捕獲・駆除が認められます。
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ただしその際は「市区町村の許可」を取る必要があります。
ハクビシンの駆除許可の申請手続きは、
- 地方環境事務所
- 市役所・区役所(都道府県による)
で行うことができます。
捕獲・駆除する場合は、あらかじめ「行政機関の申請」を取ってから行うようにしましょう。
ハクビシンを「追い出す」だけなら申請の必要はない
ニオイや音などを使って、ハクビシンを追い出す行為は、捕獲・駆除にはあたりません。
そのため、この場合は「駆除の申請」を行う必要はないのです。
屋内にハクビシンが住み着いてしまうと、騒音や悪臭によって日常生活に支障がでるようになります。
家族の健康や家を守るためにも、「害獣への対処」はできるだけ早くしなければなりません。
ハクビシンの駆除と対策の流れ!
ハクビシンなど、野生動物の駆除をする際には、
- 調査
- 捕獲
- 忌避
- 清掃
- 遮断
の5ステップが原則です。
捕獲はせず、「屋根裏に住み着いたハクビシン」を追い出したい時は、「3.忌避」から行いましょう。
忌避とは相手を嫌って避けること、遮断とは相手をさえぎって通さないことです。
では、一つずつ説明していきましょう!
ステップ@:まずは「調査」をしよう!
まずは、本当にハクビシンが生息しているかどうかを調べましょう。
ハクビシンの有無を確認するには、「足跡・フン・鳴き声・食べた跡」などをチェックする必要があります。
ハクビシンの足跡には、以下のような特徴があります。
- 前足、後ろ足ともに5本指でツメがある
- サイズは4〜5p(かかとを下ろして立ち止まるため、後ろ足の跡は縦長になることも)
- 全体的に丸みがある
ハクビシンの足跡は、「猫」や「タヌキ」「テン」などの足跡と良く似ています。
しかし猫やタヌキの足跡は4本指ですし、「後ろ足の跡」は縦長になりません。
さらに猫の場合、歩くときはツメを引っ込めているため、ツメの跡は残りません。
テンは以下のとおり似ていますが、前足も後ろ足も同じような大きさです。
もし「足跡」が屋根や塀の上など「高い所」についている場合は、ハクビシンやテン、猫の可能性が高いでしょう。
ハクビシンのフンには、以下のような特徴があります。
- 大きさは人間の親指くらい
- ある一定の場所に溜まっている
- 植物の種が固まっていることが多い
- よく食べているものによって、ニオイが異なる
ハクビシンには「巣の近くにトイレの場所を決める習性」があり、排泄は基本的にその場所で行います。
そのため、動物の「溜めフン」が見つかった場合は、その近辺に「ハクビシンの巣」がある確率が非常に高いといえるでしょう。
ハクビシンは「キッキッキッキッ」という、まるで猿のような高い声で鳴きます。
発情すると大きな声でよく鳴きますが、普段はあまり声を出しません。
威嚇する時は「ウー」とうなり声をあげ、「ガウッ」と低い声を出すこともあります。
【普段の鳴き声】
【威嚇する時の鳴き声】
足跡やフンが見つからない場合は、「農作物の被害」から動物種を見分けましょう。
ハクビシンと他の動物との違いが分かりやすいのは、以下の食べ物です。
とうもろこし
- ハクビシン
⇒茎を斜めに倒し、土の付いていない部分をかぶりつくように食べる
- タヌキ
⇒茎を完全に倒し、土の付いていない部分をかぶりつくように食べる
- アライグマ
⇒茎を完全に倒し、器用に皮を剥いて中身を全部食べる
スイカやメロン
- ハクビシン
⇒頭を突っ込んで食べるため、穴は大きい
- タヌキ
⇒頭を突っ込んで食べるため、穴は大きい
- アライグマ
⇒手を突っ込んで食べるため、穴は小さい
みかんやイチゴ
- ハクビシン
⇒ヘタや皮は食べずに吐き出す
- タヌキ
⇒ヘタや皮は食べずに吐き出す
- アライグマ
⇒中身をくり抜き、外皮は捨てる
こうして見ると、タヌキの食べ方とは似ている部分が多いですが、その場合は「足跡の特徴(タヌキは4本指)」でも判断しましょう。
なお、気が立っているハクビシンは凶暴になりやすいため、鉢合わせにならないよう注意して下さい。
屋根裏からバタバタと音がしても、決して様子を見に行かないようにしましょう。
またハクビシンは、
- 畑の用水路
- 電線の上
- 草むらや川の周辺
をよく通ります。
夜でも使える「自動撮影カメラ」などを使って、ハクビシンの「侵入経路」を割り出しましょう。
ハクビシンは1年中いつでも繁殖することができるため、個体数が増えやすい動物です。
調査に時間をかけているうちに数が増えてしまうことのないよう、調査は迅速に行いましょう。
ステップA:「捕獲」しよう!
ハクビシンが生息していることが分かれば、「野生動物専用の捕獲器」を用意します。
捕獲器は、ハクビシンの
- 通り道
- エサ場
- 寝床
などの周辺に設置しましょう。
なおハクビシンはとても警戒心が強いため、「人のニオイがするもの」には近づこうとしません。
捕獲器を扱う時は、必ず軍手などを付けるようにして下さい。
捕獲器の種類
捕獲したいハクビシンの「大きさ」「警戒心の強さ」によって、最適な捕獲器は異なります。
ハクビシンの行動をよく観察し、最適な捕獲器を探しましょう。
野生動物の捕獲器には、大きく分けて2つの種類があります。
捕獲器の中にある「踏み板」を踏むことで、扉が閉まる仕組みになっています。
捕獲器の奥には、リンゴやミカンなどの「ハクビシンの好きなエサ」を置いておきましょう。
ただし「頭の良いハクビシン」は、踏み板を避けつつエサだけを取って逃げてしまうことも。
踏み板式は、商品によって感度が異なるため、ハクビシンの体重によっては反応しないこともあります。
体重の軽いこどものハクビシンを捕獲する際には、できるだけ感度の良いものを選ぶようにして下さい。
捕獲器の奥についた「エサ付きのフック」を動かすと、扉が閉まる仕組みになっています。
この罠は天井からエサをつり下げているため、エサに手が届かないほど小さいハクビシンには不向きです。
子どものハクビシンを捕獲する際は、猫用の小さいサイズを選ぶと捕獲しやすいでしょう。
なおフックの先が尖っていると、エサをつけたり取ったりする時に怪我をしてしまうことがあります。
人間とハクビシン両方の安全を考え、フックの先は尖っていないものを選んで下さい。
ハクビシンに使えるサイズの捕獲器は値段が高く、1万円〜3万円程度のものがほとんどです。
何度も使うのであればお手頃かもしれませんが、1度や2度しか使わないのであれば少々高い買い物。
できるだけ費用を抑えてハクビシンを捕獲したいのであれば、レンタルの捕獲器を利用しましょう。
レンタルの捕獲器は、各自治体に申請すれば、無料で貸し出しができるようになります。
自治体によって「貸し出し条件・期限」が決まっているため、HPや電話などで問い合わせて下さいね。
ハクビシンが捕まらない時は?
ハクビシンは警戒心が強いため、捕獲器を仕掛けてもすぐには捕まりません。
2週間以上ハクビシンが捕まらない場合は、以下のような方法を試してみて下さい。
■エサの種類を変えてみる
人間と同じように、ハクビシンにも食事の好みがあります。
ハクビシンのエサとなる食べ物は
- 果物(りんご、みかん、モモ、ぶどう、梨、柿、スイカ、メロン、イチゴ、サクランボ)
- 野菜(トマト、じゃがいも、さつまいも、トウモロコシ、キャベツ)
- コオロギ
- トカゲ
- カエル
- ネズミ
- 木の実、種子
- 魚類
などがあり、個体によって好きなものは異なります。
様々なエサを用意し、ハクビシンの好みを調べてみましょう。
ただし、気温の高い夏場はエサが傷みやすいため、むやみに設置すると虫が大量発生することもあります。
果物や生もののエサを使う時には、定期的に新しいものに交換するようにして下さいね。
■エサのニオイを強くする
仕掛けに使うエサを長時間放っておくと、エサの香りはどんどん薄まってしまいます。
ハクビシンが「捕獲器周辺」に興味を持つように、エサのニオイを強くしましょう。
エサのニオイを強くするには、電子レンジなどで温める方法がもっとも手軽でオススメです。
ハクビシンは夜行性のため、辺りが暗くなってから温めたエサを置くと、捕まえやすくなりますよ。
■捕獲器を目立たないようにする
金網でできた捕獲器だと、ハクビシンが警戒して捕まらないこともあります。
そのため、毛布やタオルを捕獲器の上からかけて、罠が目立たないような工夫をしましょう。
「木製の捕獲器」であれば森に馴染みやすいため、ハクビシンの警戒が薄れて捕まりやすくなります。
ただし、木製の捕獲器はニオイや汚れが付きやすいというデメリットも。
始めは金網タイプの捕獲器を使い、木製は「どうしても捕まらない時」に活用するのがベストです。
ステップB:忌避(寄せ付けない)
ハクビシンは学習能力が高いため、「一度イヤな思いをした場所」にはしばらく近づきません。
ハクビシンの苦手なものや嫌いな音を使って、新たなハクビシンが寄り付かないようにしましょう。
忌避方法としては、主に3つあります。
ハクビシンへの忌避で使えるニオイは
- くん煙剤(害虫用のバルサンなどでも可)
- 害獣用臭覚忌避剤
- 石油
- 木酢液
- たばこ
- ニンニク
- 他の動物の尿
などがあり、一般的にはインターネットなどで手軽に購入できる「くん煙剤」か「害獣用臭覚忌避剤」が使われます。
屋根裏が住処になっている場合は、「ハクビシンの侵入口」に近い場所に、忌避剤・くん煙剤を置きましょう。
なお、ハクビシンの侵入を防ぐ目的で忌避剤を設置する際は、家や畑の周りをぐるりと囲むようにすると効果的です。
ハクビシンを音で追い出す場合は
- 発砲音
- 超音波
- ブザー
- 金属音
などを使いましょう。
これらの騒音は、「動画サイト」などにアップされているもので構いません。
【発砲音】
【ブザー】
ハクビシンがいると思われる時間帯に屋根裏へ行き、思いっきり大きな音を出しましょう。
また鍋やフライパンなどを、おたまでカンカン叩くのも効果的な方法です。
夜行性であるハクビシンは、キラキラ光るライトが苦手です。
ハクビシンが自発的に屋根裏を出ていくように、屋根裏内部や入り口にライトを仕掛けましょう。
常に光っているライトよりは、点滅しているものの方が、ハクビシンへの威嚇効果は高くなります。
おすすめは、クリスマス時期によく見る「点滅式のLED電飾」です。
ライトだけで十分な効果が出ない場合は、忌避剤を併用すると良いでしょう。
ステップC:「清掃」をしよう!
ハクビシンのいた場所には、多くの病原体が残っている可能性があります。
ハクビシンの駆除・追い出しが成功したら、必ず周囲の清掃と消毒を行いましょう。
糞尿を掃除する際は
- 帽子
- マスク
- ゴーグル
- ゴム手袋
を着用し、ほうきとちりとりを使って素早く行います。
汚れを撤去したら、「次亜塩素酸ナトリウムの消毒スプレー」を周囲に吹きかけて消毒して下さい。
次亜塩素酸ナトリウムスプレーは「強酸性の薬剤」ですが、ドラッグストアや薬局などで買うことができます。
直接肌につくとただれてしまうことがあるため、ゴム手袋をつけてから扱って下さいね。
ちなみに、手指などに使える「消毒用のアルコール」では十分な消毒効果がありません。
消毒には必ず、次亜塩素酸ナトリウムの消毒スプレーを使うようにしましょう。
ステップD:「遮断」しよう!
清掃が済んだら、最後のステップです。
ハクビシンが2度と入ってこれないように、「侵入経路となる穴」や「隙間」を塞ぎましょう。
屋根裏に通じる穴は「金網」と「テープ」でしっかりと塞ぎ、畑周辺には触れると電気が発生する「電気柵」を設置します。
ただし、木登りが得意なハクビシンは、周囲の木を上手に使って柵を乗り越えてしまいます。
電気柵は触れなければ意味がないため、柵の周りに「ハクビシンが登れる木」がないか、事前にチェックして下さい。
自宅や柵の周りの草を定期的に刈ることで、「ハクビシンが安心して隠れる場所」をなくすことも重要です。
捕獲・駆除はできるだけ「専門業者」へ依頼した方が良い
ハクビシンは許可を取れば、個人でも「捕獲・駆除」することが認められています。
ただし、野生動物であるハクビシンは気性が荒く、なんらかの感染症を持っている可能性もあります。
もしハクビシンの足跡や痕跡を見かけたら、できれば専門の駆除業者に相談したほうが良いでしょう。
ハクビシンの捕獲・駆除を業者に依頼すると、安ければ15,000円ほどで済む場合もあります。
害獣駆除の業者に相談する際は
- 相談を親身に聞いてくれるか
- 追加料金があるかどうか
- アフターサービスは実施しているか
などのポイントを確認してから、依頼する業者を選ぶようにしましょう。
さいごに!
「ハクビシンの駆除と対策の流れ」について説明しました。
個人での駆除・対策では限界もありますので、予算を決めて、徹底的に駆除できる「専門業者」を検討してみるのも良いでしょう。
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