ダンゴムシの餌・飼い方!生態(卵・寿命・種類・脱皮)、害や駆除方法
こんにちは。
山奥の実家で20年、多くの虫と暮らしてきたアキラです。
身近な昆虫である「ダンゴムシ」は、子どもたちの人気者。
しかし、
餌や飼育方法が分からない!
大量にいるから駆除したい!
などなど、色々な角度でお困りの方も多いのではないでしょうか?
このページでは、そんなダンゴムシの「飼い方」や「駆除方法」についてどこよりも分かりやすくまとめてみました。
- ダンゴムシの餌と飼い方
- ダンゴムシの生態(卵や幼虫、寿命や種類、脱皮)
- ダンゴムシは害虫なのか?簡単な駆除方法は?
ダンゴムシの飼い方と餌について!
ダンゴムシの飼育はとても簡単です!
道具も少ないので「飼育を始めやすい生き物」のひとつと言えるでしょう。
@ケースを用意しよう
まずはケースが必要です。
飼育ケースは水分に影響されない
- プラスチック製のケース
- 缶
- 瓶
などを用意しましょう。
この時、中の水分が飛びにくいように常時フタは出来るようにしておきましょう。
密閉状態になるのであれば、フタに空気穴をいくつか開けておきます。
またダンゴムシの「体の日照サイクル」を整えるために、フタを閉めっぱなしにして暗いままにしないほうが良いと言われています。
そのため透明のケースや瓶を使用することが望ましいです。
日光が入って観察もしやすく、丈夫ですので便利に利用できます。
ただ市販の虫かごが800円ほどで購入できますので、最初からそれを使うのがベストでしょう。
ちなみに「発泡スチロール」も保温性もあり水にも丈夫で簡単に用意できますが、ダンゴムシがかじってしまうこともありますので注意して使用しましょう。
A土を用意しよう
次に土を用意しましょう。
ケースに土を入れ、表面に枯れ葉を敷き詰めるだけで飼育が可能となります。
土は乾燥したものではなく、湿り気があるものが良い環境となりますので、乾燥してきたらスプレーで水を散布しましょう。
ダンゴムシに直接水がかかると呼吸できなくなる可能性があります。
散布する時はケースの壁面に当てて行いましょう。
また、土ではなく「湿らせたキッチンペーパー」を敷き詰めても飼育可能です。
キッチンペーパーのほうが観察しやすいのですが、土のほうが自然に近く、ダンゴムシへのストレスは軽減されます。
市販品であれば腐葉土が使用できます。
※アマゾン等で500円〜1000円ほどで購入できます
腐葉土は封を開けてから半日ほどガス抜きをして使います。
なお、飼育中は定期的にカビが生えていないかチェックしましょう。
B餌を用意しよう
最後に餌を用意しましょう。
ダンゴムシは、自然の環境においては
- 柔らかくなった枯れ葉
- 落ち葉
- 植物の新芽
を主に食べています。
中でも「枯れ葉」はとても便利なアイテムです。
隠れ家にもなり、飼育環境に臭いなどの害を起こさないため、基本食と考え常に入れておきましょう。
また、基本的には雑食性であり飼育下では「煮干し」を与えると栄養バランスが良くなります。
餌は他にも
- キュウリ
- ごま
- 人参や大根などの野菜の切れ端
- チーズ
- 乾燥エビ
- かつお節
などを好んで食べます。
このように、飼育下ではあまりお金がかからず、かつ「腐りにくいエサ」が向いています。
なお、一つのエサに偏ってしまうと体調不良となり脱皮不全に陥りやすくなります。
食いつきが良くても悪くても、植物性、動物性問わずまんべんなくエサを与えましょう。
では飼い方や餌が分かったところで、
次は「ダンゴムシの生態」について説明しましょう!
ダンゴムシの生態(種類や寿命、卵や脱皮)について!
続いては「ダンゴムシの生態」に迫ってみましょう!
ダンゴムシの寿命と冬眠!
ダンゴムシの寿命は4年程度とされています。
ただ毎日同じ生活をしているわけではなく、短い寿命の間であっても冬眠を行います。
「湿度の高い場所」や「暗がり」がダンゴムシの快適な環境ですので、そのような場所に集団で丸まって冬眠を行います。
そのため、冬に
- 植木鉢
- 枯れ葉の堆積した場所
を探ってみると、たくさんのダンゴムシを発見することができますよ。
ダンゴムシの卵と赤ちゃん(幼虫)!
ダンゴムシは卵を産む生き物です。
しかし卵をどこかに産み付けるのではなく、メスの腹部にある「保育嚢」で卵を抱えるように育てていく育児方法を取ります。
産卵後、まだ卵のうちは腹部は黄色っぽく、カズノコのような盛り上がりが確認できます。
そして保育嚢に産卵後、時間が経つと卵は白く変化していきます。
ある程度の大きさになると、子どものダンゴムシが腹部の殻を食い破って外へ出てきます。
このようにしてやっとこの世界に生まれてくるのです。
繁殖期にはこの保育嚢に卵が抱えられているため、腹部を見て白っぽいものがメスという判別方法もあります。
ダンゴムシは生まれてから1年以内に交尾し産卵することができるため、たとえ寿命が4年前後であっても、大量繁殖することができる生き物なのです。
ダンゴムシの種類はどれくらい?
ダンゴムシは、
「等脚目 オカダンゴムシ科」
という生物に位置づけられています。
この「等脚目」には、他にも
- 「ワラジムシ科」
- 「フナムシ科」
があり、ダンゴムシと「体の形が良く似ている動物」がこれらに含まれています。
ダンゴムシは昆虫類だと思っている人も多いですが、分類はこれほど違っています。
また良く似た「ワラジムシ」は同じグループだと思われていますが、これもまた違うグループとなっているのです。
※ダンゴムシ・ワラジムシ・フナムシは大きなグループで見れば仲間です
そして肝心の「ダンゴムシの仲間」としては
- オカダンゴムシ科
- コシビロダンゴムシ科
- ハマダンゴムシ科
の3つに分けられます。
1.オカダンゴムシ科
私たちが良く目にするダンゴムシは、「オカダンゴムシ科」の中のオカダンゴムシと呼ばれる種類を指します。
オカダンゴムシは世界に250種いるとされていますが、日本ではその中のたった2種類しか既知されていません。
2.コシビロダンゴムシ科
コシビロダンゴムシは世界に700種いるとされていますが、日本では22種類しか確認されていない種類です。
3.ハマダンゴムシ科
ハマダンゴムシは、日本在来のダンゴムシの仲間です。
砂浜に生息していることからその名がつけられました。
しかし昼間に砂から出てくることはほとんどなく、見つけることができたらとても貴重なダンゴムシとして扱われます。
続いては「ダンゴムシの脱皮」についてです。
ダンゴムシの脱皮!
ダンゴムシは脱皮をします。
ダンゴムシの脱皮は、近いグループである「エビ」や「カニ」の脱皮と良く似ています。
彼らと同じように、「成長の過程で自分の外側にある殻が窮屈になってくるので、一回り大きな殻になるため」に脱皮を行います。
ちなみにこの殻のことを「クチクラ層」と言うのですが、クチクラ層は鎧のような役割をしています。
脱皮は上半身と下半身に分けて行われます。
先に下半身を脱ぎ、後から上半身を脱いでいきます。
自然下では難しいですが、飼育下では脱皮の様子が目の前で見られます。
脱皮は本来ならば捕食生物に狙われる危険があるため、短時間(脱ぎ始めてから20分程度)で行われます。
脱皮した後の体はまだ柔らかいため、表面を乾かして安定するまでジッとしています。
また、脱皮をする生物の多くがそうであるように、脱皮したあとの殻は自ら食べてしまいます。
これは貴重なたんぱく源を補給するためと考えられています。
自分の殻だけでなく、他のダンゴムシが脱いだ殻も一緒に食べます。
飼育しているダンゴムシが脱皮不全となっているのを発見したら、すぐに殻を剥いであげましょう。
個体が若くても、脱皮に失敗し脱皮不全を起こせばそのまま絶命することもあります。
不全にならなければ成長できますが、放置して不全を起こせば死んでしまう事があるためです。
失敗は珍しいことではありませんが、不全となった部分の器官が不能となるため、早めに剥がなければいけません。
目や口、足などが不全となると、
- エサが食べられなくなる
- 歩けなくなる
などの不具合が出るため、死に直結してしまうのです。
オスメスの特徴と、その他の特徴!
ダンゴムシと言ってパッと思い浮かぶ真っ黒のイメージは、実はオスの個体です。
良く見ると黒みが薄く、斑点が入っている個体がメスです。
この斑点を「斑紋」といいます。
斑紋は性別の違いを100%表すわけではないので、簡単な見分けをするための目安になります。
しかし「9割」はこの見た目のとおりの性別だと言われています。
確実な性別の特徴は、腹部の生殖器で見ることができます。
ダンゴムシの下腹部には、どの個体にも呼吸するための器官があります。
白いラインが左右両方に2本入っており、生殖器はその真ん中あたりにあります。
この真ん中の正中線には、オスだけに白い筋が入っているのが見られます。
これは精子をメスに送り込む器官であることから、オスだけにあり、また成虫にしかみられない器官なのです。
このため幼体の性別は判別が難しいかもしれません。
そのほか、飼育していると繁殖期のオスがメスを追いかける「求愛行動」が見られるため、観察を続けていると自然と判別ができるようにもなります。
その他の特徴「夜行性」!
ダンゴムシは実は夜行性の生き物です。
子供が外で見つけて帰ってくるため「昼行性」のイメージもありますが、実際は
- 採集されて飛び起きた個体
- 環境の変化に危険を感じて動き出した個体
が目に入っている(目立っている)だけなのです。
同じ様に明るい場所も苦手なので、
- 植木鉢をよけた時
- 急に隠れていた落ち葉を取られた時
は暗がりを求めて急いで逃げていきます。
では最後に
「ダンゴムシは害虫なのか?駆除方法は?」というテーマを説明しましょう。
ダンゴムシは害虫なの?駆除はできる?
ここまで「ダンゴムシの飼育」などを説明してきましたが、一方では「害虫」として煙たがられる存在でもあるのです。
ダンゴムシはなぜ害虫なのか?
ダンゴムシは「園芸愛好家」の間では害虫とされています。
これはダンゴムシが「自然に落ちた枯れ葉」などを食べるだけでなく、柔らかい新芽を好んで食べてしまうためです。
しかし人間に対してはいっさい害はありません。
園芸愛好家ではない人間からすれば、大量発生している様子を見ると不快になるという程度です。
ダンゴムシを掴んで遊んでいる子供たちにとっては、
- 臭い
- ぬめり
- 毒
などが一切ないダンゴムシは、格好の遊び相手となるのです。
ただしダンゴムシは一度に数百匹の幼生を生むため、大量発生しているように見えることがあります。
さらにダンゴムシにとって快適な場所があちらこちらにあるため、そういった場所ではたくさん生まれ大量発生となっています。
大量発生していると園芸に害があるため、しばしば駆除の対象とされているのです。
益虫という考え方もある!
一方でダンゴムシは「益虫(人間の生活に役立つ昆虫)」とも言われています。
ダンゴムシは枯れ葉を食べて細かくしてくれるため、土中の微生物が行う「枯れ葉の分解」を助ける働きがあります。
このため土中を豊かにしていると言えるのです。
ただの害虫ではなく自然下での大切な役割があることも覚えておきましょう。
ダンゴムシの駆除はどうするか?
とは言え、やはり駆除が必要な場合もあるでしょう。
駆除したいという場合は、以下のような簡単な手順で行うことができます。
ダンゴムシにとっては、重なった枯れ葉が集まる所や、湿度が高い土がとても快適です。
つまりこれらを除いてきれいに掃除してしまえば、それだけでダンゴムシは立ち退いてくれるのです。
- 土を乾燥させる
- 落ち葉の掃除をする
だけで効果がありますので、わざわざ大量に殺したくないという場合は良い方法です。
さらにダンゴムシは乾燥に弱いため、土の表面を陽に当てて湿り気を減らすことで効果的に数を減らせます。
なお、長い時間置かれている植木鉢は、地面と鉢の底の間にダンゴムシが入り込むため、レンガなどで底を上げて通気性の良い状態にすると改善されます。
2つ目の方法は、ダンゴムシを「市販の薬剤で駆除する方法」です。
安価な物も多く、手っ取り早い方法です。
ただし薬剤は植物や他の昆虫にも効果があるため、環境を変化させてしまう可能性が大いにあります。
つまり庭の草花にも薬剤の害があるのです。
選ぶ時は注意書きを読んで合ったものを選ぶ必要があります。
一方で「薬剤の含まれたエサを食べさせて駆除する方法」もあります。
これは人間の口に入ればもちろん害になりますので、子供がいる家庭では十分に注意が必要です。
さらに庭や土のある場所にパラパラと広げてまいてしまうと、全体に薬害が出る可能性もあります。
そのためエサでの駆除は、数十センチ間隔でエサを山に積んでおくのが良い方法です。
これだと
- 土と薬剤を見分けやすくする効果
- 土全体に薬害を広げないようにする効果
が狙えるのです
小さい粒のタイプだけでなくペレットのタイプも市販されていますので、自分の駆除したい場所に合った物を選びましょう。
さいごに!
ダンゴムシについて色々説明してきました。
園芸愛好家には嫌われる存在のダンゴムシですが、子供には大人気の虫、それが「ダンゴムシ」です。
飼育もしやすい昆虫なので、お子さんと一緒に積極的に飼育してみても良いでしょう!
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